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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2016年11月

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2016.11.3 木曜日 河合先生への日誌 佐加美月

 浜は雪だよ。海に降る雪ってきれいなんだよね。

 だけど風めっちゃ冷たくて寒いさ。

 藤木んとこのこたつでゲームしてたら、春日が来て、

 兄ちゃんと結婚したい?って聞かれた!

 でもさ、辰巳は家継ぐしょ?

 うちは札幌か東京行って、

 アパレルか服作りしたいしょや。

 遠距離だよね。だから迷ってる。

 うちの店でコスプレ作ってても楽しいけどさ、

 やっぱ世界を見たいよね。

 パリにもニューヨークにも行きたい!

 うち、どうしたらいいのかな。

 あとヨギナミも心配。

 今回ばかりはさ〜、修学旅行の時と違って、

 うちらで集められる金額じゃないもんね。

 十万くらいならなんとかなるけどさ。

 保坂になんとかしろよって言ってんだけど、

 無理なんだよね。

 なんかさ、

 自分勝手なジジイとババアのせいで、

 みんなが不幸になってんの。

 めっちゃ嫌なんだけど。

 先生嫌じゃね?

 ヨギナミも保坂もなんも悪いことしてないじゃん。

 見てんのめっちゃつらい。




 

 

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