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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2015年10月

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2015.10.13 研究所

 窓の外に雪がちらついている。


 ああ、また雪かきの季節が来るんだな。

 久方創は去年の冬を思い出して、これから起こることを予想していた。玄関が塞がるほど雪が積もり、助手は雪かきを手伝わず、ただでさえ十分ではない仕事の指示や郵便は遅れ、吹雪や爆弾低気圧が来ると外に出られず、朝はマイナス15℃の寒さで目を覚まし、時に停電まで起こる。

 そんな現実的なことを考えながらも、窓の景色を飾る真っ白な雪に見とれていた。コートについた雪の結晶が自分の目で見られる季節はすぐそこだ。



 あぁー降ってきた……。


 助手は雪がひたすら不快らしい。元々北海道で育ったから珍しくもないのだろう。

 彼にとっての雪はこうだ。

『電車止まる。車埋まる。俺寒い』


 新橋早紀に、雪が降ったとメールを送った。

 もう一人、送りたい人がいる。

 アドレスが変わってなければ今でも送れるが、怖くてできない。

 ただし、『このアドレスは使われていない』とわかるのが怖いのではない。




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