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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2015年10月

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2015.10.12 サキの日記


 将来やりたいことを、引きこもり状態のくせに考えていた。劇団の人たちは好きだけど、私は演技に向いてない。作り笑いひとつ出来ないから。可愛いげがないとよく言われるし、それを悪いと思う感性を持っていない。

 だから母みたいな女優も駄目だ。だいいち顔の構造が違いすぎ。母のクローゼットの卒業アルバムを見てもわかる。私は不良時代の豚まんにそっくりだ。性格も父に似たとよく言われるが、私は奴と違って人を笑わせるどころか、暗いどん底に突き落とすような文章を書くのが得意。

 文章だけ読んだ人には、おしゃべりな人と勘違いされる。ネット上で会った人なんか、みんなそう……でも私は、学校で自分から話した記憶があまりない。

 だから秋倉町の出来事が不思議。所長は絶対、私のことをおしゃべりな女子だと思ってる。平岸あかねには『東京の人はそんな簡単に男の家に行くの?』 という偏見を持たれてる(最近、知り合いにゲイがいたら紹介してとメールが来た。カントクでも送っとくか。口調だけオカマで、奥さんいるんだけど)


 芸能界と接客は除外。

 自分にできることなんて、こういう長い文章をダラダラ書くことしか思いつかない。

 私はTwitterが苦手だった。

 事件が炎上したからじゃなくて、他人との短いやりとりが苦手。日記に長い文を書くなら、息をするのと同じくらい簡単。でも他人の空気を読んでやりとりをする……それって、会話と同じだから。


 空気読めないんだ、私は。


 将来やることを考えてたのに、できないことしか浮かばない。

 もう起きよう。

 こんなに朝早く起きたのは久しぶり。

 4時台を朝と呼んでいいなら、だけど。なんか、夜中なのか朝なのか微妙だ。

 とりあえずコーヒー飲もう。

 じゃなきゃ頭が働かない。




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