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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2016年8月

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2016.8.3 水曜日 サキの日記 バイト最終日

 バイトが始まる前から『今日でバイト終わり!終わり!!』ということしかみんな考えてなかった(と思う)。昼休みに何人かのおばさん達に『若い人がいなくなると寂しくなるわあ』と別れを惜しまれ、午後の作業が終わると、みんな嬉々としてスギママの車に乗り、松井カフェに直行。スギママが事前に注文してくれていたので、予約の札がついた席には既にクッキーとケーキが用意されていた。ヨギナミにメールしようと思ったけど、これからもずっとバイトしなきゃいけない人に『バイト終わった!!』なんて言っちゃまずいかなと思ってやめた。

 なのに、なのにだ。


 ヨギナミにメール送ったイェーイ!!


 何も気にしていない佐加に先を越された。

 いいのか本当に、それ。

 ホンナラ組(保坂と奈良崎。命名は伊藤ちゃんだそうだ)は、二人で新しいテントを買って、第2グループの4人でキャンプをすると言っていた。こっちのグループも仲いいんだなと思った。


 第3はなんかしないの?


 と奈良崎に聞かれたが、私が答える前に、


 俺らんとこは個人主義だから。


 と高条に冷たく言われてしまった。確かに、あかねと修平と高条と私でキャンプとかパーティーする場面は全く想像できない。ていうか無理だ。


 でも今のうちに一緒に行動して慣れた方がいいべ。

 修学旅行もグループ行動だべや。


 保坂に言われて、高条と私の動きが止まった。


 あかねや修平と一緒に旅行。

 BL妄想とカッパが同行。



 イヤだ〜嫌すぎるそれ!!



 私の心を、高条がそのまんま叫んだ。

 奈良崎と保坂、藤木と佐加まで『グループで何かしたほうがいいよ』と私達に向かって言い始めた。転校生グループだから仲良くするきっかけがいるよとかなんとか。


 どうする?


 高条が私に尋ねた。私に聞くなと言いたい。


 あ〜!そうだ!みんなで一緒にゲーセン行けば良くね?

 マンボーならうち案内する!


 佐加が言い出した。藤木は、


 自分が行きたいだけだろ?


 と呆れていた。


 よ〜し!じゃあ日曜ね!あかねにはうちが知らせとく!


 またしても佐加に勝手に決められたのだった。

 そして夕食の時、


 ちょうど取りたいグッズがあるけど、

 マンボーに入ってるかな。


 あかねは、アニメグッズ欲しさに乗り気だった。

 修平は、


 高条と一緒に行くの?奈良崎じゃなくて?

 絶対盛り上がんねえって。


 と文句を言っていたが、一応来るそうだ。


 私は行きたくない。

 でも、それが言い出せない。



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