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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2016年7月

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2016.7.24 日曜日 河合先生への日誌 高谷修平

 昨日、平岸さんたちが別な街の観光地に連れて行ってくれました。でも、車に酔ってしまって、歩く気力がありませんでした。

 女の子向けの雑貨ばかりの店が多くて、見たいものも特にない……と言いたいところですが、本当は、行く先々全ての店や名所を一つ残らず見て回りたかった。何でもいい。知らないものを見られるだけ見ておきたかった。

 でも、俺には体力がありません。

 学校や町まで歩いて行けるようになって、油断してました。長時間車に乗って、少し店を見て回っただけで疲れてしまう。平岸やサキは何も気にせずに何十分も歩き回って全く疲れていない。観光地には、他にも俺と同じくらいの年の奴がたくさんいて、何の心配もせずに歩き回って、店や景色を満喫している。

 思い知らされるんです。元々の体力の違いを。

 みんなの手に届くものに、俺は近づけない。

 でも、そんなことを平岸さんたちに言って、せっかくの観光を台無しにしたくなかった。俺は楽しいふりをしましたよ。得意なんです。昔からやってますから。でも、サキには見抜かれているような気がする。あいつ怖いんですよ。人に気を使わないで何でも真っ直ぐに見るから。

 今日は昨日の疲れが出て、ずっと部屋で寝てました。まるで老人だ。でも仕方がないんです。これでも、1人で外を歩けるだけ良くなった方です。母は毎日電話してきます。息子は大して歩けないと思っているから、どこかで倒れていないかと心配して。気持ちはわかるけど腹が立つ。ほっといてほしい。

 長文すみません。



 

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