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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2015年10月

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2015.10.8 秋倉町 松井カフェ


 カフェの昼。遠方や物流トラックの常連は来ていない。強風で足止めされているのかもしれない。駅前通りの常連は『いや大変だよこれは』『傘させないな』と言いながら、いつも通りやってきた。家にじっとしてるのも退屈なのだろう。これから風がもっと強くなると予報されているので、今のうちに外に出る用事を済ませたいのかもしれない。そして珍しい客もいる。

 松井マスターは調理しながら、他の客はランチや本に夢中なふりをしながら、ある二人の会話を好奇心いっぱいに盗み聞きしていた。

 室内の照明を受けて光輝くハゲ頭。

 それには負けるが、やはり田舎町で目立つ程度には光を反射する金髪。


 ガキのままごとですよ、そんなのは。


 金髪の助手は、全く遠慮のない声でつまらなさそうに言った。それを聞いた平岸パパは親しげな笑いを保っていた。機嫌の悪い学生のような奴だと思いながら。


 俺もあまり心配はしてないんだけどさ。町の人が気にしてるみたいでね。


 助手はちらりと店内を見回した。二人を気にしていたマスターと客は、手元に集中するふりを再開した。


 子供二人が草っ原で遊んでただけでしょう?久方は知能だけは高いですけどね、ガキなんですよ。もう見たまんまですよ。相手だって気が合うんなら似たようなもんでしょう。実際会わなくたって想像つきますよ。


 平岸パパはにこにこしながら、この助手も年齢よりは中身が幼そうだなと思っていた。


 ま、そんならいいけどね。


 平岸パパは別な知り合いに声をかけ、そちらの席に移っていった。話題は台風だ。助手はすぐにコーヒーチケットだけ置いて無言で店を出ていき、マスターはそれを回収しながら、挨拶くらいしたらどうだと心の中で注意していた。





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