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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2016年6月

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2016.6.30 木曜日 河合先生への日誌 新橋早紀

 この学校に来て3ヶ月経ちました。

 驚いたのは、クラス全員の仲が良くて、お互いの趣味や性格などをよく知っているということでした。前の学校では、同じクラスの8割は知らない人、残り2割が、名前くらいはわかる人という感じで、互いに仲良くなろうという態度を示しません。それでも自然といくつかのグループができて、自分たちだけの世界を作る……そんな感じです。

『そんな感じ』というのはくだけすぎた表現でしょうか?つい使ってしまいます。『そのような印象』とでも言いかえたら良いのですか?

 平岸夫妻は本当に親切です。自分の親以上に親らしく接してくれます。あかねは反抗期ですが、夕食の時に私や高谷を呼びに来たり、朝起きれないと叩き起こしに来たり、平岸家の一員としての役割は一応果たしているみたいです。私は両親に甘やかされすぎたのではないかと、ヨギナミや高条を見て思ったりします。役割とか仕事というものを、私は、家で与えられたことがないのです。これはこちらに来てから初めて気づいたことでした。

 進路についてですが、まだ特定の進学先は決めていません。ですが、大学に行きたいとは思っています。ただ、何を選考するとか、そこまで細かくは決めていません。この時期に決まっていないのは遅すぎるでしょうか。前の学校には、生まれた時から東大に行くことが決められている、なんていう子もいました。でもその人、勉強が大嫌いなのです。親に勝手に決められるのは辛いですね。でも、私の親は何も言わなさすぎるのです。とにかく好きにすれば良いと。私はそのおかげでいつも迷っています。自分で決める力は多少身についたかもしれませんが。

 



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