表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2016年4月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

302/1131

2016.4.24 日曜日 サキの日記

 だるい。でも朝食に行かないと部屋にお盆を持った平岸ママが出現する。休みの日でも寝坊可とかになってないのが平岸家。たぶん寝てても怒られはしないだろうけど。

 今日も天気がいいですね~と高谷がのんきに言った。昨日と同じように素晴らしい日差しと晴れの空。ただし今日は、私のほうが疲れててそれを受け付けないみたい。昨日はしゃぎすぎたのかもしれない。所長からメールが来てて、やっぱり昨日はあの大木まで行っていたようで、写真に、森をほめたたえる文章がついていた。

 朝食後、アパートまでの道で空を眺めて、すぐ部屋に入ってまた寝てしまった。昼に起きて平岸家に行った時も、お弁当を持って行けとか特に言われなかった。今日は出かけない日だとなんとなくわかったんだろう。

 結局その後も寝て、起きたら今夕方五時。今夜は眠れなさそう。

 例えば、この感じは何だろう?

 部屋に一人でいる。電気もついている。風呂から上がって体が半分だけ布団に入ってる。

 違う。私が感じてるのはそういうことじゃない。この部屋の空気だ。私がここにいて、この部屋と、明かりと、なんとも言えない空気を見つけて文章にしようとして、上手く行かない。部屋の設備の説明がしたいわけじゃない。たった今の空気?時間?空間と感触、上手く言葉にできないものが、何もしなくてもこの部屋にある。画家だったらそれも含めて絵にすることができるんだろう。写真には当然写らない。この感じは一体何だろう?実はここに来る前にも、実家の自分の部屋とか居間でも感じたし、出かけた先で感じることもあった。風景描写にはなかなか入りきらない何かを。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ