2016.4.24 日曜日 サキの日記
だるい。でも朝食に行かないと部屋にお盆を持った平岸ママが出現する。休みの日でも寝坊可とかになってないのが平岸家。たぶん寝てても怒られはしないだろうけど。
今日も天気がいいですね~と高谷がのんきに言った。昨日と同じように素晴らしい日差しと晴れの空。ただし今日は、私のほうが疲れててそれを受け付けないみたい。昨日はしゃぎすぎたのかもしれない。所長からメールが来てて、やっぱり昨日はあの大木まで行っていたようで、写真に、森をほめたたえる文章がついていた。
朝食後、アパートまでの道で空を眺めて、すぐ部屋に入ってまた寝てしまった。昼に起きて平岸家に行った時も、お弁当を持って行けとか特に言われなかった。今日は出かけない日だとなんとなくわかったんだろう。
結局その後も寝て、起きたら今夕方五時。今夜は眠れなさそう。
例えば、この感じは何だろう?
部屋に一人でいる。電気もついている。風呂から上がって体が半分だけ布団に入ってる。
違う。私が感じてるのはそういうことじゃない。この部屋の空気だ。私がここにいて、この部屋と、明かりと、なんとも言えない空気を見つけて文章にしようとして、上手く行かない。部屋の設備の説明がしたいわけじゃない。たった今の空気?時間?空間と感触、上手く言葉にできないものが、何もしなくてもこの部屋にある。画家だったらそれも含めて絵にすることができるんだろう。写真には当然写らない。この感じは一体何だろう?実はここに来る前にも、実家の自分の部屋とか居間でも感じたし、出かけた先で感じることもあった。風景描写にはなかなか入りきらない何かを。




