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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2016年4月

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2016.4.20 水曜日 松井カフェ


 早紀ちゃんは久方さんのもう一人については気づいてないようだよ。


 松井カフェのカウンターで、平岸パパがコーヒーをすすりながら言った。松井マスターは反対側に椅子を置いて座っていた。最近膝が痛むが、仕事を休みたくないのでサポーターをつけている。孫がいるときはたまに手伝ってもらい、お小遣いを与えている。


 俺もはっきり聞けないから遠回しに探ってるんだけど、早紀ちゃんよりも高谷君があそこを怪しいと思っているようでね。行かないほうがいいと忠告してケンカしてるんで困っちゃうんだよね。俺も保護者代理として気になるところなんだけど、悪い人ではなさそうだから行くなとも言えなくてね。


 松井マスターはヨギナミを心配していた。


 奈美ちゃん、ただでさえ生活が大変なのに、あの人が訪ねてきて悩んでるんじゃないかしら。一応男の人で、それが母親に近づいているわけでしょう?


 奈美ちゃんねえ。そうなんだよなあ。


 平岸パパはマグカップを指でこんこんと叩いた。


 どうも秋倉の学生がみんなあの研究所に興味を持ってるみたいなんだよなあ。でも、久方さんの今の状況だと、興味本位に接していい相手ではないと思うんだよ。早紀ちゃんはそういうことを理解できるくらい頭が良さそうだけど、他の生徒はどうかなあ。うちの娘にははっきり行くなって言ってるんだけど、だったらサキはどうなんだって言われちゃうしなあ。かといって一律禁止っていうのもなあ。


 保護者二人は同時にため息をついた。




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