表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2016年3月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

255/1131

2016.3.1 サキの日記

 3月になってしまった。

 月末には秋倉での生活が始まる。

 でも私は今、同じグループになることが決まっている二人について既に悩んでいる。今日は両方とやりとりしたけど、うまくやっていく自信が一気になくなってしまった。

 まず、平岸あかね。



 カフェの無口なイケメンに、

 病弱でおしゃべりな転校生の少年なのよ?

 わかるでしょ?

 ウフフフフ。

 えっ?何よ。

 サキだって、美形の助手と所長のところに通って、

 3人で戯れる予定でしょ?

 はい?訴える?

 なにヨ。アタシは事実を言っただけでしょ。

 悪いけど人の夢を壊さないでくれる?

 誰が反対しようと無駄ヨ。

 こんな恵まれた環境にいて創作しないなんて、

 そんな罪深いことできるわけないじゃないのヨ。

 ウフフフフ。



 何が罪深いのか、聞いているうちによくわからなくなってきた。



 もう一人。

 あのナンパ男子、高谷修平からまたメールが来た。無視しようかと思ったけど、気になることが書いてあったから読んでしまった。



 平岸家に行ったとき、近くの廃墟で怖い金髪メガネに会ったんだけど、誰か知らない?

 俺、あそこに住んでる人知ってる。怪しい人だよね。



 たぶん金髪は助手だと思うけど、『怪しい』って何だろうと思ったから、所長を知ってるのか聞いてみたら、



 へー、所長なの?

 あんな廃墟に二人しかいないのに?



 引っかけられた。

 しかもバカにしてるような感じがするので、それ以上は返事しなかったし、向こうからも来なかった。

 何なのこいつ。

 4月から隣かと思うと急に不快になってきた。しかもあかねからまた妄想メールが来て『伝説の図書委員長と図書室はどう?』と書いてあって、ますます気味が悪くなってきた。

 しかも秋倉の河合先生から、



 図書室はもう利用できるよ。

 委員長が貸し出しカードを作ってくれたから



 というメールまで来た。

 タイミング悪すぎです!先生!



 心配だ。

 いろんなことが心配。

 残る一人のイケメンからはメール来ないし。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ