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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2016年2月

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2016.2.25 サキの日記

 あかねから、イベント用の同人誌が届いた。ペンネームのサインが入っているが、読めない。表紙の二人(どこかで見たような……)が既に危険な感じで、恐る恐る開いた瞬間……思いっきり遠くに投げた。私には100%ついていけない内容だった。こんなもん未成年が描いて売ってていいのか?

 これをどうしたらいいのかと、床に落ちている同人誌を遠くから見て困ってたら、さわのんからメールが来た。近くまで来たから寄ると。パン屋でサンドイッチを買ってきてくれたさわのんは、食いながら同人誌を読んで、ひたすら爆笑してた。恐る恐る内容を聞くと、



 えーと、猫の少年と飼い主がやりまくってたら、愛がないのは嫌だって猫が脱走して、改心した飼い主が森まで追っかけてってやっぱり木の下で激しくメイクラブする話。



 メチャクチャだ。それに、前にどこかで似た話を聞いたような気が……。



 別によくある話じゃん。

 これくらい普通だって!!

 でもこれヤバい!

 ギャハハハハ!!



 さわのんは食事しながらずーっと派手に笑い転げていた。同人誌がいたく気に入ったらしく、持って帰っちゃった。玄関を出てからも声が聞こえるくらい、いつまでも笑いが止まらないみたいだった。



 あかねに感想聞かれたので『照明が気に入って持って帰った』と言ったら、また送ると言い出したので丁重にお断りした。



 なにヨ。

 あんたも古くさい旧人類のオバサン予備軍なのネ。

 今は戯れる美少年をアタシたちが見物する時代なのヨ。ついでにコスプレ美少女もね。

 次回作は嫌でも送りつけるわヨ。

 もう構想はできてるのヨ。ネタは向こうから来てくれるしね……ウフフフフ。



 私は真面目に、受け取り拒否を検討中。

 今日は所長に電話するのはやめよう。

 実物を見る機会はたぶんない……といいけど。こないだなんて話を聞いただけで倒れちゃったのに。

 あかねに文句を言っても、たぶん、


『これはフィクションだから実在の人とは関係ないわヨ、

 参考にはしたけどね、ウフフフフ』


 で終わりだ、きっと。

 誰か止めてよって思うけど、平岸パパがハゲ頭を叩いて途方に暮れてたし、

 きっと、誰の注意も聞かないタイプだろうなあ、あかねって。


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