2016.1.9 トマトばあちゃんから平岸ママへの電話
もしもし、こんにちわ。
先日はまあごうせいなおせちを分けていただいてね、ありがとう。
この歳になるともう友達も亡くなってねえ。ご近所さんの親切で生きてるようなものだからねえ。
こないだもね、幸福商会の社長さんが挨拶に来てくださってねえ。玄関の前の雪を払ってくれたの。あとあの小さな人、なんていったっけ?ああそう、久方さんね、窓を塞いでた雪を取ってくれてねえ。去年から窓が半分埋もれてて外が見えなんだけど、おかげで今は陽も入ってね、町役場の人や幸福商会は道は除雪してくれるけど、裏の窓の雪はねえ。気づいてくれないしなんだか言い出しずらいもの。
おはぎ作ったからお礼に持っていっても……ああそうね、平岸さんのほうがうまく作れるわね、え?そういう意味じゃない、あっそう。
(チャイムの音)あ、ちょうど誰か来たみたいだから食べてもらおうか、それじゃ(受話器を置いたが、ちゃんと切れてない)あらあら、ちょうどあんたの話してたとこなのよ、入って入って!!(男の声がする)……え?もしもし、あらやだ、平岸さん待っててくれたの?とっとと切ればいいのに!アッハッハッ!ごめんなさいね。私ったらドジくさくて、じゃ、失礼します(やっと電話切れる)




