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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2015年12月

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2015.12.11 サキの日記


 早朝出かけた。まだ混んでない地下鉄と電車に乗って、なんとなく気になった駅で降りた。

 早起きしたのではなく、夜通し起きていただけ。



 6時、オフィスが多いエリアらしく、駅のカフェはもちろん空いていて、コーヒーのために行列ができていた。店内の席も、店とは関係ないベンチも、人が必ず座ってる。学生も会社員も。7時、8時と眺めていく、どんどん人が増えていく。ここだけでコーヒーの消費量は莫大だろう。

 会社って9時に始まるところが多いんだろうか。

 それまで、行き場なく時間をもて余している人は多そう。単に早起きなのか、家にいたくないのか、私みたいに不本意に徹夜したのかは知らないけど。


 朝の5時から9時、空いてる本屋とかアート系、ファッション系の店がもっとあればいいのに。

 美術館が、朝の5時から9時まで開いてれば、通学や通勤の早起きが入ると思うし、芸術好きの交流の場にもなるかも。

 朝活とか朝セミナーやってるとこはあるけど、そこまで本格的に朝から動くのは(私は)きつい。

 15分とか30分。

 学校や会社で試練にあう前に、心が落ち着けられる場所、新しいものを見つけられる場所があればいいのに。


 あちこちにクリスマスリース、ツリー、靴下、プレゼントボックスが飾られている。でも、この時間帯に立ち止まって見上げてる人はあまりいない。みんな驚くほど早足で同じ方向に進み、まわりを見ていない。


 ふと思う。

 60年代や70年代にしか書けなかった、作れなかった作品があるように、

 今、2015年の12月11日にしか書けない、わからないことが必ずあるはずだ。

 あたりを見回す。そして心配になる。

 何かを見逃していないだろうか。

 絶対に見落としてはいけないものを。




 みんなが授業を始める頃に、まだかなり混んでる車両にもまれて帰ってきた。歩き疲れてあっさり眠りに落ちた。起きたら2時。



 今夜も、眠れないと思う。




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