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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2018年2月

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2018.2.22 木曜日 サキの日記

 この町に来て変わったことは、時間をおおらかにとらえるようになったことです。前は、何時からこうして、次はこう、次は──と、スケジュールを詰めるのがいい人生だと思い込んでいたように思います。今は、何も考えずにボーッと景色を見ていてもいいのだと気づきました。むしろ、その方がいろんなことが頭に浮かびます。その中にはいいことも悪いこともあるけど、どちらにせよ、自分を知るきっかけになるから、いいのです。

 前の私は一人でいい気になっていたように思うのです。自分の考えは絶対正しくて、一人で何でもできるって。でも、いろいろつらいことがあって自信がなくなりました。思いもよらないことが起きて、人生がバラバラになってしまったような気がしました。でも、こちらに来ていろいろな人に会って、少しずつ自分を取り戻した、いや、新しく自分を作っていけたと言った方がいいのかもしれません。一人で何でもやるのではなくて、人に助けてもらう、みんなでやる。自分だけが正しいのではなくて、みんないろいろな考えを持っていて、それぞれに行動の理由がある。

 自分を傷つけた人達について考えます。3人ほど、どうしても許せないというか、理解できない行動をした人達がいます。許せはしない、理解もできないけど、彼らにも何か彼らなりの行動の理由があったのだろうと、今では思うことにしています。

 文章をうまく書けるようになりたいと『思い』ながら、なかなかうまくいきません。この文だけで『思う』を何回使ったでしょう?『思う』『感じる』などを使いすぎるクセがなかなか直りません。大学に行ったらもっと大人らしいちゃんとした文章を書きたい。そしていつか自分の『代表作』を完成させたいです。

 先生にはこの2年半、お世話になりました。

 最初に会った時、『このクラスの人をいじめっ子と同じだと思わないで』というようなことを言っていましたよね。実際全然違いました。みんな変だけど、いい人ばかりです。これからもつながっていたいと思います──あ、また『思う』を使っちゃった。

 2年半、ありがとうございました!



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