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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2018年2月

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2018.2.20 火曜日 河合先生への日誌 高谷修平

 秋倉で過ごした時間は、僕にとって唯一「ふつうの人として外で過ごした」期間でした。それまではずっと病院か家で、学校には行けていなかったからです。僕は小さい頃、子どもはみんな病院にいるものだと思っていました。自分がそうだったからです。でも、そのうちそうじゃないことに気づきました。ショックだったのを今でも覚えています。

 秋倉での生活は、全てが奇跡でした。学校へ行き、友達と遊び、知らない人と話をする。生活の全ては奇跡なんだって、もっとみんなが理解していたらと思います。決して当たり前なんかじゃない、できない人がたくさんいるんだって、もっとわかってほしいと思います。

 今、僕は病院から出ることができません。でも、やりたいことがたくさんあります。病気と闘ってるだけで十分じゃないかと言ってくれる人もいますが、それでも何かしていたいのです。病気以外のことを、人間らしいことを。

 世の中には、完璧に健康じゃないと好きなことができないと思い込んでいる人がたくさんいるようです。でも、そうじゃない。病気や障害を抱えながら、何かに打ち込んでいる人はたくさんいます。そういう人たちはみな、人知れず輝いています。

 僕もそういう人間になりたいです。


 先生には本当にお世話になりました。

 卒業式のあともたまに連絡していいですか?

 せっかく知り合えた人とはつながっていたいので。

 どうぞよろしくお願いします。




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