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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2018年2月

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2018.2.10 土曜日 河合先生への日誌 保坂秀人

 僕は最近、30後半のおっさんに人生相談されています。20代のサックス奏者の女の子が気になってしょうがない。でも、ちょっかい出しすぎて最近避けられている、どうしたらいいんだろうと。もう笑うしかないっす。押しが強すぎて相手がドン引きしてるんすよ。少し落ち着いてくださいとアドバイスしました。

 今月の日誌は、3年間のまとめ。

 僕的には父と母がやっと離婚してくれたので安心しました。元々相性が最悪で一緒にいられてもケンカするだけでまわりが迷惑なので。

 僕は春から札幌で一人暮らしを始めます。やっと一人になれるのがうれしいです。スマコンも札幌で占い師の活動を始めるそうで、友達としての付き合いはこれからも続きそうです。いろいろ複雑ですが。

 この3年の思い出というと、弓道の大会で優勝したことと、保と行ったサバイバルゲーム大会で大人のチームにマジのガチで総攻撃されてヤバかったこと、第二グループでバーベキューしたり遊んだりしたこと。スマコンの政治の歌がヤバすぎること。それくらいですね。

 大きな出来事より、毎日のいろんなことが大事だったんだと思います。もうすぐ終わるから特に強く感じるのかもしれません。ただ朝起きて学校に行って、授業受けて、昼休みに友達とふざけて、帰りの掃除サボって伊藤ちゃんに怒られて、そういう普通のことがめっちゃ貴重だったんだなと今ごろになって思います。

 修平が来られなくなったことも影響しているかもしれない。あいつは今、僕たちが普通にやっていることができない。普通は普通なんかじゃなくて、すごく恵まれたことなんだとやっと気づいた。たぶん僕だけじゃなくて、クラスのみんながそう思ったんじゃないですか。

 修平は卒業式に出るためにがんばっています。僕も当たり前のような顔をして式の場に立ちたくない。『木立よ』の伴奏を練習しながら、どんな顔をして卒業式にのぞんだらいいのか考えています。

 先生にら感謝してます。ありがとうございました。

 あと残り数日ですが、最後までよろしくお願いします。




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