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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2018年2月

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2018.2.8 木曜日 河合先生への日誌 伊藤百合

 もう高校終わっちゃうんですね。時間経つの早いですね。

 この3年、うちのグループは夏にバーベキューしたり冬は雪像を作ったり、ホンナラ組がアウトドア派なのでいろんな体験ができて楽しかったですね。みんな明るくて、保坂なんか家でいろいろ問題あって大変だっただろうに、いつもおどけてみんなを笑わせようとするし、奈良崎はいい奴だし──このグループのおかげで3年楽しく過ごせたなって思います。みんなに感謝。

 でも一番自分にとって重大だったのは、修平に出会ったことです。

 話し方も態度もふざけてるけど根は真面目で、けっこう本質を突くことを言ったりする。体は弱いけど気は強い。

 私は、ちょっと前までは、なんとなくですが、ずっと一人で生きるような気がしていました。もしかしたら誰か(恋愛小説に出てくるような素敵な人)に出会って結婚するかもしれないけど、基本は、大学に行って図書館司書になるか会社員になるかして、本を読みながら生きていくんだろうなって。

 でも修平を好きになってしまったので、いろいろ考えなきゃいけません。

 たぶん、修平は働けないでしょう。今は強力な親がついていますが先のことはわかりません。私が支えなきゃいけない日がいつか来るのかなと思っています。そうなると、できるだけ収入が多くて、かつ時間の融通がきく仕事につきたいなと考えます。その前にまず大学を卒業しなきゃいけませんが。

 修平は「そんなこと考えなくていい」と言います。

「自分の人生を生きてよ」と。

 でも、私は修平と一緒にいたいし、この先の人生も一緒に過ごしたい。

 そしたらやっぱり、いろいろ考えなきゃだめですよね。

 もちろん、本に関わる仕事をしたいです。そこは諦めません。

 ただ、ちょっと変えなきゃなって思うだけです。

 きっと、神が見守ってくださるでしょう。


 この3年、クラスのみんなにも先生にも本当にお世話になりました。

 ありがとうございました。

 また何年後かに、同窓会でお会いしましょう。

 絶対来てくださいね。




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