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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2018年2月

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2018.2.7 水曜日 サキの日記

 雪すごかったね〜が今日の主な話題。ずっと秋倉に住んでいる人でも経験したことのない降り方だったらしい。雪が高く積もりすぎて道の両側が壁みたいになってて変な感じ。写真撮ってインスタにあげておいた。

 所長の所に行きたかったけど、林の道へつながる道は除雪されてなくて、雪に埋もれたまま通れず。LINEしてみたら、今日の夕方に幸福商会が除雪しに来る予定だって。もう所長と会える日は残り少ないのに雪にはばまれるなんて。

 杉浦の家にも行きにくそうだったので今日は平岸家のテレビの間で勉強していた。でも、やっぱり今日は所長に会いたかったなって思う。何か起きた時は報告しに行きたくなる。

 私にとって、久方創は何者なんだろう?

 この町で会ってからずっと私の味方でいてくれた。

 親友?いや、もうほとんど家族。

 

 そうか、所長って家族なんだ。

 だから結城さんみたいな色気を感じないのかも。


 平岸ママがオペラというケーキを作っていた。ヨギナミがくっついて作り方を熱心に聞いていた。あかねはいつもどおり部屋にこもって怪しいマンガを描いていた。私は勉強しながら、心をぼんやりと数カ月先へ飛ばしていた。

 4月から一人暮らしだ。

 一人で暮らしたいと言い張って、父と母にはしぶしぶOKをもらった。バイトして少しは生活費を稼げという条件付きだ。3月には住む部屋を探して、大学入ったらバイトも見つけなきゃ。でも文章も書きたいしサークル活動もしたい。

 大丈夫かな、私。

 大学は知らない人だらけ。友達ちゃんとできるかな。

 秋倉ではみんなから話しかけてくれてたから、自分から何かやった記憶がない。でも、大学では自分から話しかけて友達作らなきゃな。

 それよりまず大学受からないと。

 今日は勉強だ。あと2週間ちょっと。



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