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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2018年1月

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2018.1.29 月曜日 河合先生への日誌 杉浦涼

 受験もあとは2月の試験だけです。僕は自信があります。とはいえ、気を抜いてはいけない。塾は毎日開催していて、参加者は4人とも真剣です。いつもフォーフォー叫んでいる保坂ですら静かだ。新橋さんは時々関係ない話を始めて困るが、今日は勉強に集中していたようです。

 すでに進路の決まった専門学校組が非常にうるさい。佐加はまた卒業パーティーをしようなどと騒ぎ出す。高条は「思い出になるから」とむやみに人を動画に撮る。肖像権という言葉は彼の辞書にないのだろうか。まだ受験を控えている者がいるのに、彼らの気楽さには呆れる。

 藤木は店を継ぐ準備をしているようだ。地元のためにがんばりたいという彼はすばらしい。だが、この辺に住む若者の大半は外に出なければ仕事がない。ヨギナミもよその町の役場に決まったようですし。この町に若者の受け皿となるような企業や産業があればと思いますが、そんなのは夢でしかない。僕らは現実を見なくては。

 しかし、生まれてからずっと暮らしてきたこの町を去ることには悲しみもあります。ここで文学ができたらよかったのだが。しかしそれもないものねだりなのでしょう。僕は文学を極めたら、いずれまたここに戻ってくるつもりです。作家はどこに住んでも仕事ができますからね。



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