表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2018年1月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1080/1131

2018.1.14 日曜日 サキの日記

 センター試験終わった!

 帰りに平岸パパがレトロなカフェに寄ってくれたので、でっかいパフェを頼んで写真撮ってインスタにあげた。佐加からすぐに反応があった。

 杉浦から『試験はどうだったかね?』と来ていたので『まあまあ』と返信しておいた。ほんとは杉浦の予想問題と全く同じ問題が出題されてて助かったんだけど、ホソマユに感謝するのなんとなく嫌なので話題にしなかった。向こうからもそれについては特に何も言ってこなくて『センターが終わったからといって気を抜いてはいけない。明日から2月の試験に向けて塾を開催する』というウザいお知らせが来ただけだった。

 明日か。

 今日と明日くらい休みたい。

 所長に『センター終わりました』って知らせたら『お疲れ様』と来た。明日遊びに行ってみよう。みんないろいろ言うけど所長は友達だし、試験終わった時くらい行ったっていいだろうし。


 夕方、見慣れない夫婦が食卓にいた。4月から秋倉に移住してくる人で、ヨギナミの家に住むそうだ。

 あの家、人に貸すんだ。

 お母さんが亡くなってからまだ半年も経ってないのに。ヨギナミはどうやってそんな決断をしたんだろう?

 夫婦は2人とも彫刻家で、静かなアトリエを求めて北海道の田舎を回っていたらしい。なんとなくロダンとカミーユ・クローデルを思い出したのでその話したら『僕らはあの2人とは違うからね』と笑っていた。

 夫婦で同じことしてケンカになりませんかって聞いたら、


 お互いの作品には口出ししない。意見は言うけど。


 だって。

 いいな、そんなふうに2人でそれぞれ好きなことして暮らすの。

 来年、東京で個展やるから来てねって言ってた。行こう。

 大学に入ったら本格的に自分の『作品』を作らなきゃいけないから、いろいろなものを見て感性を磨かなきゃいけない。

 今日は部屋に帰ってからも美術とか絵とか彫刻の画像ばっか探して見ちゃって、気づいたら夜中になってた。

 いいよね別に。センターもう終わったし。

 大事なのは勉強だけじゃないし。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ