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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2018年1月

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2018.1.10 水曜日 サキの日記

 センター試験が土曜日に迫ってるのに、頭が全然別なことを考え出して困る。

 朝、ヨギナミに高条のことをいろいろ聞かれた。付き合ってた時に何してたとか、今はどう思ってるかとか。あまり話したくなかったのでてきとうに流していたら、あかねが、


 インスピレーションが!


 と叫び出したので、内容が聞こえる前にテレビの間に逃げた。その後もヨギナミは『所長さんのことは好きじゃないの?』とかウザい質問を続けたので、すぐアパートの部屋に戻った。

 ヨギナミ、やっぱり高条のこと好きだな。間違いない。

 なんかもう誰とも話したくなくなってしまったので、部屋で一人で勉強してた。予想問題はほとんど完璧にできるようになったし、杉浦が作ったちょっと難易度がおかしい問題も覚えた。

 大丈夫、きっとなんとかなる。

 2時間くらい、自分でもすごいと思うくらい集中して──それから猫の動画見て、それつながりで保護猫の世話をしているおじいさんが世の中を語っている動画見てたら昼になった。

 所長の所に行こうかと思ったけど、やめた。さっきヨギナミにも言われたけど、所長は私のこと好きだし、きっと何かを期待してる──ような気がする。余計な期待はさせない方がいい。

 でも、どうしてこうなったんだろう?

 前は何も気にしないで遊びに行けたのに。

 所長と一緒にいろんな話したり、あじさいを見に行ったり、自然を観察したり、それだけで楽しかったのに。

 どうしてそれができなくなったんだろう?

 こんなこと考えてたら1時間くらい時間を無駄にしてしまった。そうじゃない。今は勉強しないと。

 大学に入ったら小説を書こう。秋倉で起きたこと全てを記録にしたような壮大なやつ。

 今は勉強だ。あと少しなんだから。




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