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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2017年12月

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2017.12.26 河合先生への日誌 与儀奈美

 これはみんなには内緒にしてくださいね。佐加に知られたら大騒ぎされてしまうから。

 レストランのシェフに、結婚を前提に付き合ってくれないかと言われたんです。

 久しぶりに会おう、と連絡が来てレストランに行ったら、他のスタッフは誰もいなくて、シェフだけがいました。ステーキセットが用意されていて、一緒に食べようと。

 なんか変だなと思ったのですが、レストランに来るのもシェフに会うのも久しぶりだったので、いろんな話をして盛り上がれました。

 レストランの仕事は自分に向いていると思っていたので、またここで働きたいなあとか、つい言ってしまったんですよね。春から公務員になることが決まっているのに。

 そしたらシェフが、

 実は、前から私のことが好きだった、と言ったんです!

「結婚を前提に付き合ってほしい」と。

 私、頭が真っ白になりました。全く言葉が出てきませんでした。今すぐ返事しなくてもいい、少し考えてみてくれと。

 私そこでハッとして、いや、無理です、私好きな人がいるから無理です!って言ったんですけど、

「その人と駄目になった時でもいいから、考えてみてほしい。俺は待ってるよ」

 と言われてしまいました。

 帰り、車で平岸家まで送ってもらいました。四角い大きな車で、アウトドア用みたいでした。私は、子ども達と一緒にこの車に乗っているところをうっかり想像して、こういう人が自分の子どもの父親だったら頼もしいかもしれないと考えてしまいました。

 でも、私が好きなのは杉浦です。

 好きな人がいるのに他の人と結婚を考えるなんて間違っていますよね。

 でも、帰ってから、心の奥で『もったいない!』という声がしました。あんないい人が結婚しようと言ってくれるなんて、もしかしたら一生に一度のチャンスかもしれない。本当にいいの?と。

 どうしたらいいんでしょうね。

 みんなには言わないでくださいね。


 

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