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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2017年12月

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2017.12.25 月曜日 サキの日記

 今日から冬休み。でも、河合先生に『受験のラストスパートだ』とか言われるし、杉浦ははりきって模擬試験を作り始めるし、しかもその内容がマニアックで難しすぎるので、『これはあんたの趣味でしょや。受験の役に立たないしょや』と伊藤ちゃんが怒っていた。

 勉強漬けの冬休み。

 せっかく北海道にいるのに。

 ゆううつ。

 真っ白な平面になった草原(雪原と言った方がいいかもしれない)を写真に撮りながら、こういう景色ももうすぐ見られなくなるんだなと思う。

 平岸家であかねができあがったBLマンガを見せに来た。18禁が解禁されてしまったので、クリスマスツリーの下で美少年がやりたい放題だった。

 大丈夫。こういうこともあと2ヶ月でなくなる。

 あかねのことはおもしろい奴だと思うけど、ハードBLにはどうしても耐えられない。BLじゃなくても、普通の話でも私は性的な表現が苦手。エロ本やエロ動画を見る男子は信用できない──って話を前に佐加にしたら、『エロコンテンツを見ない男なんてこの世にいない』と言われてしまった。藤木はどうなのと聞いたら『辰巳は特別だもん』もはや意味不明。

 夕方からアプリで勉強した。本だと集中できないと思ったから。

 母からLINEで、正月に放送されるバラエティ番組の収録をしたと言ってきた。若いアイドルと一緒に食べ歩きしたらしいんだけど、最近の若い男の子の『化粧の濃さ』にすごく驚くと言っていた。ずっと芸能界にいるから男性のメイクには慣れているはずだけど、最近のアイドルの顔の白さが『宝塚の女優みたいに見えることがある』と。

 早く時代に追いついていってくださいと言っておいた。メイクするもしないも本人の自由だ。男も女もない。今はそういう時代ですよと。

 自分がメイクするのはめんどくさいんだけど。

 最近勉強ばっかりで、ファッションとかメイクについて考える機会がなかった。いつかネットで衝動買いしたリップクリームやファンデーションがなぜか床に落ちてる。クローゼットには全然着てない服がたくさん入ってる。アクセサリーを飾る場所にはホコリが積もっていた。

 勉強より部屋の掃除をした方がいいことに気づいた。

 これからやる。




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