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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2017年12月

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2017.12.15 金曜日 サキの日記

 自分の判断が正しいかどうかはどうやったらわかるのだろう。『受験前なんだから勉強すべき』か『若いうちにいろんな体験をすべき。だから出かけたい』のどちらが正しいのか──みたいな話してたら、


 どちらが正しいなどということはない。大切なのは、自分で選んだ方を『正しく』するために努力することなのだよ。


 と杉浦に偉そうに言われてしまった。

 とりあえず今は勉強を選ぶ。旅行は大学行ってからにする。そもそも受からなかったら大変だし。

 どうしよう受からなかったら。

 そういえば『シナリオ書け』ってカントクに言われてたのに手がついてないし、小説の続きも浮かばない。

 所長と私の関係性ってなんだろう?

 昔を思い出して二人の行動を書いているうちに、わからなくなってきた。

 ただの友達ではない。もちろん恋人でもない。同じ事件から始まったややこしい悲劇を共に味わった者、とでも言うのか。橋本の死、おかしくなった二人の女とその子ども達。

 母は最近穏やかに過ごしているらしい。妙子じゃない役のドラマ出演も決まったけど、怖いイメージが抜けないのか、SNS上では『妙子が母親?』『怖すぎる』『絶対犯人』とか言われちゃっててかわいそう。

 橋本の幽霊と初島はどこに行ったのか、もう誰にもわからない。

 自分の行いをいろいろ振り返ったら、所長に好意を持たれても仕方ないかなと思えてきた。最初から自分のことをしゃべりまくってたし、困った時には泣きついたし、不安な時は話し相手になってもらっていた。たぶん私は、所長を頼りすぎた。

 もうやめよう。大人にならないと。

 大学に行ったら、もう一人で生きる準備をしなきゃいけない。

 人に頼ってばかりではいけない。




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