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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2017年11月

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2017.11.4 土曜日 サキの日記

 平岸家でショッピングモールへ行った。修平もたぶん来たかっただろうなと思ったので連絡して『ほしいものある?』って聞いたら、


 モノはほしくないから中の様子見せて。


 と言われたので、ずっとテレビ電話しながらあかねや平岸ママが買い物するのを見せて回ってた。そのうち『疲れたからもう寝る。ありがとう』と言って切られた。

 なんかおいしいものでも送ってやろうと思って、ヨギナミと一緒に館内をうろつき回っていたんだけど、日持ちするものでいいのがあまり見つからなくて、結局どこにでもありそうな焼き菓子(一応北海道のマークついてるけど)にしてしまった。平岸ママは自分で作った料理を送りたがっていたけど、あかねに『病院に迷惑だからやめて』と言われていた。

 ショッピングモールはいつも混んでいる。土日は近くのほとんどの町の人がここに集まってしまう。家にいてもネットで時間潰せると思うだろうけど、実際に何もない所に住んでいると、出かけられる場所があればどこにでも行きたくなるのだ。それが20キロ先のコンビニでも、100キロ先のスーパーでも、行ってしまうのが道民なのだ。中にはスーパーやコンビニがない町もあって、ショッピングモールに買い物に来ないと生活が成り立たない人もいる。気軽に買い物できる場所が近くにないのは、やっぱりしんどい。


 ショッピングモールで行き交う人のことを小説にするのもありかな。


 ふと思いついたのであかねに言ってみたら、


 ここ以外で他人に会わないって人もけっこういそうよね。出会いの場にはなりそう。アルバイトしてる店員の視点で客として来る美少年を描写すると──


 珍しくあかねが真面目に乗ってきたので、二人でいろんな客を空想して遊んだ。めっちゃ面白かった。ただ、ヨギナミは何も言葉を発さなかった。真面目でいい子だけど、空想力はたぶんないんだと思う。

 フードコートを出る頃にはすっかり小説を書く気になっていたので、その後何をしたかあまり覚えていない。残念ながら、あかねと話してる間は次々とわいたアイディアが、部屋で一人でいると全然出てこない。とりあえず昼間話したことをメモに残しておいた。そのうち使えるかもしれない。

 受験勉強しなきゃ。でも小説も書きたい。 

 明日は杉浦塾に行かないとなあ。杉浦はウザいけど、一人で勉強してもすぐ気が散って猫の動画見ちゃうし。





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