2017.11.3 金曜日 祝日 河合先生への日誌 杉浦涼
受験が近づいているというのに、みな『勉強に集中できない』と口々に言っています。なので僕は、今日から毎日塾を開催することにしました。平日は3時から6時まで、土日は9時から夕方5時までです。もちろんずっといろとは言いません。集中力が欠如している佐加や新橋さんに長時間座っていろと言っても無駄なのはわかっていますからね。今日も勉強を始めて5分と経たないうちに、二人で幽霊の話を始めてしまった。亡くなった人を悼む気持ちは尊重されるべきだが、それは勉学を怠る理由にはなるまい。佐加にまたホソマユ呼ばわりされましたが、人の容姿をバカにするような次元の低い者の言うことは僕は気にしません。佐加もそのうちわかる時が来るでしょう。
今日は高谷とも話をしました。まだ体力が回復しておらず、10分ほど話しただけで疲れてしまうようです。ですが、夏目漱石について彼と話すといつもその深い洞察力に驚かされる。他の人とは違うことを必ず言ってくれるのです。とても興味深いことを。
高谷が秋倉高校からいなくなったのは本当に残念です。
僕は彼が学校に来なくなっても、友人として一緒に学術的な話をする仲でありたいと思っています。
先生も一度話してやってください。
『河合先生と話したい』と言っていましたから。




