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ビルダー・ライフ―異世界はものづくりに満たされて  作者: M・G・
第1章―コンクゲート編―
9/11

第9話―樹木の成長

黒き剣士ダークドラゴン・ナイトは、ついに始まったオーク軍団の戦いを見ていた。


この軍団の結果が、自らの出番を左右することになるのだから。


黒き剣士の前に、六つの翼と鷲の顔を持つ魔物が現れた。


黒き剣士「我が主。やはりお見えでしたか」


黒き剣士はひざまずく。


鷲の魔物「魔王様は、お前の働きに期待している。異界の人間に遅れを取るな!」


ハハッ、と黒き剣士は叫ぶ。鷲の魔物はその場を去って消えていく。



1000を越えるオーク軍団は、自身の身体に鎧を着け、アックスブレードを振り回す。


ケント、ソウカを含む戦闘のできる人間は前衛で攻撃、かりんや女神ガイア、ゴブリンなど防御の低い者は、後衛となって弓矢や薬草を与えて、町の中を走り回っている。


リリアンの素早さはオークを翻弄した。ライナの弓さばきは、オークに急所を当てて倒していく。ボルカーは大剣を振って、オークを斬っていく。


後衛のゴブリンたちは、弓を使って町に近づけないように矢をゴブリンに放っていた。


ケントは剣を振って、回転斬りをする。


ソウカは詠唱なしの魔法を溜め、数十体のオークを炎、風、水流で消していく。


1000を越えるオーク軍団の数がなかなか減らない。


オーク軍団の兵長「我らが押されているのか?」


オークの下っ端「はい、オーク・ビースト様。数はこちらが依然、圧倒しておりますが、人間とゴブリンの猛攻が止まりませぬ」


オーク・ビーストの甲高い叫びが町まで響く。


ケント「あいつが親玉か。ソウカ、ここを頼む」


ソウカ「了解。一気にやっちゃって!」


ケントはオーク・ビーストの後ろに降り立つ。


オーク・ビースト「お前が異界の人間か?」


ケントは剣を構える。


ケント「どうして、僕が異界の人間だと分かる?」


オーク・ビーストはケントの前に振り返って、斧をドスンと落とす。


オーク・ビースト「この我を倒しても、この大陸の戦禍は止まぬ。全ては大陸の支配者の手中だ!」


オーク・ビーストは斧をケントに振り回した。


ケントは斧を避けるが、オーク・ビーストは片方の拳を握ってケントに殴りかかる。


ケントは盾でオーク・ビーストの拳を受け止めるが、その威力はケントを近くの森に弾き飛ばした。


ケントとオーク・ビーストが死闘をする中、オーク軍団はその数を減らしながらも、町を包囲せんと部隊を散々にした。


人間のかりんやシスター、女神ガイア、ゴブリンたちは町を包囲させないために後方で援護している。


ケントとオーク・ビーストは、今度は斧と剣を交えて戦っていた。


ケントは剣や盾でオーク・ビーストの斧や拳を受け流し、オーク・ビーストに傷を負わせる。


しかし、オーク・ビーストの巨体は小さい傷では足のかかとを落とさない。


オーク・ビーストも素早い動きのケントに攻撃を受け流され、致命傷を与えることはできず、攻撃を止めない。


この死闘に光明が差したのは、オーク・ビーストの巨体の動きで地面が崩れた時だった。


ケントは剣に溜めの斬りを振り、オーク・ビーストの左腕を斬り落とす。


オーク・ビーストは地面に大きな音を立てて転ぶ。


オーク・ビースト「我を殺すか、異界の人間よ?」


ケント「そうするしかない。これ以上、今の争いを続けないために」


ケントはオーク・ビーストに止めを刺す。


オーク・ビーストの死は、他のオーク軍団に攻撃を止めさせた。オーク軍団の数はすでに200にまで減っていた。


オーク・ビーストの死を知った黒き剣士ダークドラゴン・ナイトは、主以外で初めて立ち上がった。


一つの戦いが終わった。敗れたオーク軍団は、ケントの町に新しい住人として、軍門に下った。


小さな樹木は光をまとって、一回り大きく成長した。この光は大陸中に希望を与えた。


オークたちの他に、この光を見た遠方の村人がケントたちの町に走り出した。


         ―第10話に続く―

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