第7話―村から町にしよう
黒い剣士の男は、ガイコツ死霊を手で押さえて一気に消し去る。
黒い剣士の男「何たる死に様よ!」
ガイコツ団長「お許しを!」
黒い剣士の男は懐から、邪気を帯びた禍々しい宝玉を出す。
剣士の男「この宝玉ある限り、この大陸は我の支配化。ガイコツ団長、次の部隊を整えよ!」
ガイコツ団長「ははっ!仰せのままに」
黒き城のような砦は、不気味に闇の風を取り巻く
フェンリルのガルガが、数日経ってゴブリンの一族を伴って戻ってきた。
ゴブリンの長老「お初にお目にかかります、勇者ケントどの。フェンリル様より、お話は伺っております」
現在、ゴブリン村は危機的状況にあり、他の魔物から襲われ、食糧難にも陥っているという。
幸いにも、フェンリルのガルガが戻ってくる間に、ケントは海で魚釣りを、ソウカとかりんは森で果物の採取で、食料を十分に備蓄させていた。
ゴブリン長老「こちらで我々を守っていただければ、建築や食料調達、様々な働きをしてみましょう」
こうして、村にゴブリン村から来た20匹のゴブリンが家をかなりの数を建てて、村は大きくなった。
ケント「そろそろ、町にするべきだと思うのですが?」
女神ガイアは頷く。鉱山跡地から戻ってきたリリアンは、新たな住人のゴブリンたちに武器や防具を渡し、ゴブリンナイトにさせた。
村を町に拡張するため、広範囲の森林伐採、大岩の撤去が数日にわたって行われた。
かりんは森で新たに、2匹のスライムを使役した。
ソウカは水の魔法を使って、作られた水路に水を流す。
町へと発展させるべく、水路の他に道の整備も行われた。
町に発展した時、ここが大陸を解放する重要拠点となる。
大陸を支配する魔物との全面衝突は日を追うごとに近づいていた。
村の大地が広がり、伐採や大岩の撤去が完了した。村の広がりを確認した遠くから眺めていたガイコツの戦士が去っていく。
町としての発展のため、リリアンの鍛治場を大きな武器工房へと移転して作り変えた。
魔物の襲撃に備えることも重要であり、四方に鉄の城門と鉄を中に入れた防壁の建設が始まった。
ライナがいる櫓は物見台に改新され、この物見台の他に、四方斜めに監視塔も用意された。
村の数倍の大きさになった町となる場所は、木材となる樹木を大量に必要とし、その樹木の伐採のため、北以外の海に近くなった。
今は大陸間の移動が闇の結界によって閉じられているので、浅瀬の海での漁業のみとなる。
闇の砦の城。
闇の黒い剣士「町の建設だと?」
ガイコツの団長を首を縦に振る。
団長「我が支配者ダークドラゴン・ナイト様。異界の人間が手を貸しているようなのです」
剣の納まっている鞘をダークドラゴン・ナイトは地面に音を立てて置く。
ダークドラゴン・ナイト「鉄壁の城門に、異界の人間。魔王様が聞けば、さぞお喜びになるであろう。
しかし、ここは我の支配する大陸。人間の好き勝手にさせるわけにはいかない!」
ガイコツ団長「すでに、次の軍団が揃いつつあります。軍団首領、これへ」
イノシンの首領がダークドラゴン・ナイトの前にひざまずく。
ダークドラゴン・ナイト「首領オーク・ビースト。1000の下級オーク・トルーパーを率い、人間の町を破壊せよ!」
オーク・ビースト「支配者の意のままに!」
オーク・ビーストが集まった1000を越えるオーク・トルーパーの眼前に立つ。
1000のオーク・トルーパーはオーク・ビーストを見て、高鳴る叫びを上げる。
町での新たな戦いの幕が降りるのだった。
―第8話に続く―