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【揺花草子。】(日刊版:2020年)  作者: 篠木雪平
2020年09月
268/364

【揺花草子。】<その3165:不採用。>

【揺花草子。】<その3165:不採用。>


Bさん「NHK でさ、俳句の番組があるんです。」

Aさん「俳句の。」

Cさん「ご存知Eテレでニチアサに OA されているわ。」

Aさん「ニチアサって表現はだいぶですね。」

Bさん「番組名はそのまんま『NHK俳句』。

    全くひねりがないよ。」

Aさん「いや・・・逆に潔いんじゃないかな・・・。」

Cさん「なるほど、下手に凝ったり捻ったりするぐらいなら

    そのままズバリの方が趣があるし詫び寂の心も体現できると言う

    阿部さんの寸評と言うわけね。」

Aさん「そこまで深読みしてくれますか!!!」

Bさん「ま、ともかく『NHK俳句』です。

    毎週季節の課題が設定されており、それにまつわる句を

    一般の皆さんから募集して発表・講評するわけ。」

Aさん「ふむ。」

Cさん「夏なら『蝉』とか『西瓜』とか『冷や麦』とか『夕立』とか、

    秋なら『秋刀魚』とか『虫』とか『月』とか『芒』とか、

    まあそんな感じのテーマね。」

Aさん「なるほど。」

Bさん「それとは別に、課題にとらわれず自由に句を詠む事も許されてて。

    その週のテーマのキーワードとは異なっても優秀であれば

    番組で取り上げられたりするわけです。」

Aさん「なるほど。」

Bさん「と言うわけでぼくは1句投稿しようかと思ってて。」

Aさん「え、そうなの? きみ俳句とか嗜む系女子なの?」

Bさん「なんならお茶とかお花とか日舞だって嗜んじゃいますよ。」

Aさん「そ・そうなんだ。そんなに習い事やってたんだ?」

Cさん「門前の小娘的なアレよ。」

Aさん「小娘ではなくないです!!?」

Bさん「まあつまり誰かに師事していたとかではないけど、

    それでも俳句を詠むことは出来るわけです。

    俳句はどんな自由な発想で作ってもいいんだよ。」

Aさん「それはプラモの話では。」

Bさん「とにかく、ぼくが『NHK俳句』に投稿しようとしている一句。

    ここでズバッと公開しちゃうよ。」

Aさん「公開しちゃうのかよ。それもう送る気ないやつだろ。」


Bさん「『夏も過ぎ

     次期 iPhone の

     うわさかな』」

Aさん「商品名!!!!!」


 Siriさん『iPhone は秋の季語なんですよ。』

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