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【揺花草子。】(日刊版:2020年)  作者: 篠木雪平
2020年06月
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【揺花草子。】<その3071:小刻みに震えたりする。>

 【揺花草子。】<その3071:小刻みに震えたりする。>


 Bさん「シンデレラですがね。」

 Aさん「あれ今日も?」

 Cさん「世界シンデレラ週間だからね。」

 Aさん「そうなんですか? それは知りませんでした。」

 Cさん「ガセネタに決まってるじゃない。」

 Aさん「何でそんな雑な嘘をつくんですか!!!」

 Bさん「とにかくシンデレラ。

     昨日はあのガラスの靴が王子様の特殊な性癖を満たすために

     用意されたものに違いないと言う仮説を立てました。」

 Aさん「とんでもない仮説だな。

     あの温厚なバー仮説のマスターが半ギレするレベルの仮説だな。」

 Bさん「ま、それは冗談としても、ガラスの靴ですよ。

     物語のプロットとしては、

     お城の舞踏会に潜り込んだシンデレラだったが

     深夜0時の鐘が鳴るや否や退場決め込もうとした。

     そこを王子様に追い縋られて、ガラスの靴を

     落としてしまったと言う感じだよね。」

 Aさん「なんか全体的に悪意がある物言いだなあ。」

 Cさん「深夜0時を過ぎてもパーティーが続くってもう

     パリピ感すごいわよね。」

 Aさん「えーそう言う集まりだったんですかあれ。」

 Bさん「で、王子さまは、シンデレラが残したガラスの靴を手掛かりに

     国中から若い女性を集めてシンデレラを見つけようとするわけだ。

     二次元中の幼女を侍らそうとする阿部さんに

     勝るとも劣らないキモさだね。」

 Aさん「そう言う言い方はやめてくれないかな!!?」

 Cさん「けれども阿部さん、ちょっと考えてみて欲しいわ。

     足のサイズが同じ程度の人なんて、同じ体格・同じ年頃の人であれば

     それこそ数え切れないぐらいいるわよね。」

 Aさん「え・・・まあ、それは、確かに。」

 Bさん「そう考えると、ガラスの靴がピッタリはまるかどうかぐらいの条件で

     シンデレラかどうか判断するなんてあまりにも精度が低くない?」

 Aさん「精度と言われると・・・まあそれはその通りだけど・・・。」

 Bさん「けれどぼくは、それでもなお、あのガラスの靴によって

     シンデレラをきちんと識別する事ができたのではないかと

     踏んでいるよ。」

 Aさん「え、そうなの? どう言う事?」


 Bさん「あのガラスの靴にはきっと

     指紋認証機構が搭載されていたに違いない。」

 Aさん「ハイテク!!!!!」


 足の指の指紋認証とはあまり聞かないですね。

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