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「どうするも何も死体を見つけたんだ。もう、僕たちだけじゃどうにもならない。警察に連絡しよう」
恭介がポケットから、手のひらくらいの大きさの薄い板みたいな物を出して「もしもし」と言った。
これは何だろう?
「もしもし」って、まるで電話みたい…。
「ここじゃ繋がらない。上へ戻ろう」
恭介が2人を促した。
みんなで上の階へ歩いてる途中で、あたしは気持ちが悪くなってきた。
ああ…来た…いつものあれだ…どうしようもない…どうしても抑えられない…恭介のキレイな顔…素敵…ああ…ものが考えられない…恭介のこと、好きになったのかな…めちゃくちゃにしたい…恭介を好きだから…めちゃくちゃにしたい…。
あたしは胸の奥から突き上げてくる衝動に飲み込まれた。
口を開けて牙を剥き出す。
尖った爪を恭介に向ける。
「グゲゲッ!」
あたしは興奮の叫び声を上げながら恭介に飛びかかって、首筋に噛みついた。
翌日の朝、嵐は収まった。




