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心臓も、いつまでもつか分からない。
かといって、私以外に娘の秘密を守り、なおかつ世話をしてくれる人物など存在しない。
何とか手を打たねば。
もしも私が倒れてしまえば、外部との全ての関わりを断って娘を隠してきた、この屋敷そのものが今度は娘を閉じ込める牢獄と化してしまうのだから。
恭介が読み終えた。
そうなんだ。
そんな気持ちだったんだね。
恭介も裕太も真悟も3人とも顔が青ざめてる。
お話が怖かったのかな?
「な、何だよ、これ?」
裕太が言った。
「この屋敷のことを書いてるんだよな?」
さすがの真悟も声が緊張してる。
「じゃあ、地下室には…」
恭介がゴクリとツバを飲み込む音。
「確かめようぜ!」と真悟。
「バカを言うな!」
裕太が怒鳴った。
唇が少し震えてる。
怖がってる?
「外を見ろよ!」
真悟が言い返した。
嵐は全然、収まってない。
「今日はここで泊まるんだぞ! 地下室に何か居るかもしれないのに、確かめないで寝るつもりか!?」
「そ、それは…」
真悟の言葉で裕太が口ごもる。
「そうだな…行くか」
恭介が言った。
「地下への入口を探そう。ただし、みんないっしょに動くんだ」
しぶしぶ、裕太も頷いた。
3人がライトを持って固まって歩きだした。
あたしも恭介の横をついていく。