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転生した最凶毒使いは気ままに異世界を旅する  作者: 葦上 薫
村での生活
12/12

┳┳¬ヾ('_'* )トントン(-"-;)(-"-;)食っても大丈夫か?

みなさん、お久しぶりです。

受験がひと段落したため、投稿を再開することにしました。

最近、二次創作にハマったため、投稿頻度が大きく落ちます。

ゴトゴトゴト・・・


現在、俺とアルバート、ヘクターさんの3人は定期的に村へ来る商隊に同行させてもらいながら王都へと向かっていた。

この商隊は村で野菜や魔物の肉などを入手し王都で作られる加工品や多少の調味料と交換してくれるため村の中では知らない人はいないし、商隊側も何度も村人と接してきているため殆どが顔なじみだ。

俺とヘクターさんは護衛の手伝い、アルバートは貴族の子弟を護衛したという名目の元後々ヘクターさん経由でアレクサンダー家に請求されるらしい。


「兄ちゃん、そのスープ、俺にもくれよ。」

「あ、俺にも!」

「ぷはぁ、うめぇ!!兄ちゃんおかわり!!!」


現在俺は同行させてもらっている身なので少しでも手伝いが出来ないかと夕飯づくりを申し出た所、なぜか護衛の人たちに大人気になった。

前世では自炊程度の腕前しかなかったため夕飯もそこまで凝ったものではないが、何故か護衛の冒険者には絶賛された。

事の次第は小一時間ほど遡る。

夕方ごろに赤と水色の色鮮やかな蛙型の魔物が襲ってきたのだが、色が色だけに誰も食べようとしなかったのだ。

少し勿体ないと思った所で俺の毒操者(ヴェノムコマンダー)で肉に毒性があるとは判断されなかったので、試しに本日の夕飯の具材に使わせてもらったのだ(なお、食べるのは俺と付き合わされたアルバートとヘクターさんである)。

蛙の肉は鶏に似たような味があると聞いたことがあったので、一度挽肉にして肉団子を作ってみることにした。

頭の中には前世の頃にちらっと見た鶏肉団子のレシピが流れ始める。

俺はそのレシピ通りに代用できそうなものを代用して作ってみた。

村で手に入れた玉ねぎをみじん切りにして、商隊が配給してくれた黒パンを水に浸して絞った後に解す。

玉ねぎ、黒パン、蛙の挽肉をよく混ぜて一口サイズの団子へと作り変える。

スープの出汁には蛙の骨を使った。

鶏がらスープは鶏の肋骨を使うんだが、生憎と蛙に肋骨は無かった。

仕方が無いので適当に足の骨をスープにぶち込む。

適度に灰汁をとっていると何となく鶏がらっぽい匂いがしてきたため、骨を取り出す。

野菜に関してはそこら辺で採取した主に黄色やら藍色やらの色鮮やかな)キノコやで問題ないな。

一応毒性が無いのは確認したし、山菜に関しては春の七草と外見が似ているから縁起もいいだろう。


「ちょ、ちょっとフィン君、本当に俺達それ食べるの?」

「・・・襲撃した俺が言うのも何だが、貴様、死にたいのか?」

「問題ない。毒性のない食材を使ったから死にはしない。味の保証までは出来ないが、不味くはないはずだ。」

「アルバート君、どうやらおじさんの人生はここまでのようだ・・・」

「不謹慎なことはやめてくれ!この料理は僕も食べるんだぞ!!」


青い顔をしながら、ヘクターさんとアルバートが肉団子のスープを口に入れる。

俺は毒操者(ヴェノムコマンダー)の効果で毒は効かないが、俺が毒を操れると知られると色々と騒動に巻き込まれかねないので毒操者(ヴェノムコマンダー)の事はあまり大っぴらに話してはいない。

毒見は一応彼らの目の前で行ったが、なぜかヘクターさんから俺だから当てに出来んと真顔で言われた。

・・・解せぬ


「「え~い、ままよ!!」」


まるで、ロシアンルーレットでも挑戦していそうなセリフを発しながら二人がスープを飲み始めた。


「ん!?意外とおいしい!!」

「・・・貴族の食事に出せるほどの腕前ではないが、食事としては悪くはない・・・」


食べる前までお通夜みたいな雰囲気を出していたヘクターさんとアルバートだったが、だったが、一口食べた瞬間にスプーンが止まらなくなった。

やっぱ、空腹は最高のスパイスかね?

俺の調理スキルのレベルはⅤなので、下手ということはない。

調理スキルだけでなく、非戦闘系スキルは全体的に戦闘系スキルよりもレベルの上昇率が低い。

理由は、非戦闘系スキルは全体的に情報の量が多い。

例えば、鞭術スキルでいうと、いかに早く、いかに正確に目標を狙えるかを突き詰めている。

それに対し、硝子細工スキルの場合はどれほど熱せば

前世では友人の少なかった(というか殆どいなかった)俺は寂しさを紛らわす目的もあってなるべく美味しいものを食べたいと自炊が半分趣味だった。

因みに、俺からすればこの食事は決して美味い食事ではない。

味としては申し分ないのだが、如何せん歯応えが悪い。

蛙の肉だからなのか、魔物の肉だからかどちらかは分からないが、筋を上手く取り出せなくて。所々非常に固い・・・

いや、ヘクターとアルバートが普通にパクパクと口に入れているのを見るに、単純に俺の食べる肉団子だけ筋が多いのか?

・・・だとしたら自分の運のなさに少し泣けてきた・・・


「な、なぁ・・・兄ちゃん・・・俺にも少し分けてもらってもいいか?」


気が付くと、近くで夕飯を食べていた冒険者が俺に話しかけてきた。


「別にいいが、どうした?さっきまで食いたくないって言ってたろ?」

「いや、それは悪かった。しかし、あそこの二人があまりに美味そうに食うもんでな・・・」

「・・・俺からしたらあんまり美味くなけどな・・・俺が食うのだけ何故かやたら筋が多い。」

「気にするな。俺はもっと歯応えの悪い肉を食ったことあるからな!!」


そう言って、男はサムズアップしてきた。

襲ってきた蛙型の魔物は人ほどの大きさがあったので材料自体はまだいくらでもあるが、さすがに無償で提供するのは不満なので、少し食材を分けてもらうという条件をつけた所、「その程度お安い御用」と一緒に食事を取っていた仲間の所へ走って行って紫色のニンジンみたいな野菜を持ってきた。

多分、ナシンジャという、保存性の高い野菜だろう。

村でも育てている一般的な野菜で、皮さえ剥がさなければ普通に3年以上もつという前世の常識ではありえない保存性を持っていて驚愕したのを覚えている。

声を掛けてきた男が戻ってくると、周りで様子を見ていた冒険者も我も我もと食材を持って肉団子を食べに来て冒頭の展開になった。

さすがに人手が足りなかったので、近くで呑気に食後のティータイムに入っていたヘクターさんとアルバートを引っ張り出して鍋の晩を押し付けて、俺は必死に肉団子を製造する機会となった。



その後、清が村へ帰るまでの間ずっと食事を作る話になるのだが、それはまた別の話。


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