(;´・д・)
青年への制裁が終了した俺はステータススキルで自身のステータスを見てみることにした。
前にも言ったが、神殿などで初回無料のスキルチェックは所持しているスキルの名前が分かる程度でスキルのレベルというのは分からない。
自分の実力を詳しく知りたいので、俺は食後にステータスを見ることにした。
因みに、両親には器用貧乏かもしれないと言った所ライラとほぼ同じ反応をされたが、神殿で受け取った紙に書かれたスキルの数を見た途端、目を見開いて驚いていた。
「ステータスオープン」
俺は、神殿の本に書かれていた通りに宣言をしてステータススキルを発動させた。
発動した直後に半透明なウィンドウみたいなものが出現し、自身の状態、ステータス、スキルといくつかに分かれて表示された。
状態
・平常
体力、200
魔力、50
持久力、95
ステータス
攻撃力、8010
俊敏性、876
防御力、∞
正確性、2003
知力、1070
魔法防御力、123096
所有スキル
・戦闘系スキル
盾術Ⅺ、挑発Ⅹ、剣術Ⅸ、先読みⅨ、回避盾Ⅷ、受け流しⅧ、護身Ⅷ、反撃Ⅷ、俊敏Ⅷ、弓術Ⅶ、短剣術Ⅶ、棒術Ⅶ、二刀流Ⅶ 、刺突Ⅶ、瞬動Ⅶ、居合Ⅵ、索敵Ⅵ、強打Ⅵ、投擲Ⅴ、斧術Ⅴ、両手剣Ⅴ、鞭術Ⅴ、唐竹割Ⅴ、空間把握Ⅴ、縮地Ⅴ、兜割りⅣ、立体機動Ⅳ、連続攻撃Ⅳ、貫通Ⅳ、使役Ⅲ
・強化系スキル
剛力Ⅶ、持久強化Ⅶ、筋力強化Ⅶ、俊敏強化Ⅶ、
・生産関係スキル
工作Ⅴ、裁縫Ⅴ、革細工Ⅳ、彫刻Ⅳ、木工Ⅳ、骨細工Ⅲ、彫金Ⅲ、鍛冶Ⅱ、硝子細工Ⅱ、調合Ⅱ、武器作成Ⅰ、防具作成Ⅰ、練成Ⅰ、
・耐性関係スキル
精神耐性Ⅹ、物理耐性Ⅺ、魔法耐性Ⅷ、
・趣味スキル
演奏Ⅵ、歌唱Ⅳ、園芸Ⅳ、絵画Ⅳ、腹話術Ⅳ、演劇Ⅲ、舞踏Ⅲ、瞑想Ⅲ、
・労働関係スキル
清掃Ⅴ、洗濯Ⅵ、乗馬Ⅴ、調理Ⅴ、運搬Ⅳ、解体Ⅲ、操車Ⅲ、草刈Ⅲ、耕作Ⅲ、採取Ⅱ、収穫Ⅱ、伐採Ⅰ、
・学術関係スキル
算術Ⅸ、暗号解読Ⅷ、暗算Ⅶ、
・冒険者関係スキル
解錠Ⅱ、野営Ⅱ、発掘Ⅱ、罠解除Ⅰ、罠発見Ⅰ、
・特殊スキル
毒操者、アイテムボックスⅠ、ステータスⅠ、
称号
神に認められし者、転生者、世話好き、完全防御、
「・・・・・・・・・」
何これぇ?
え?真面目に何なのこのステータス?
というか、防御力無限って何?
はた目にも見ておかしいと分る自身の状態に混乱して半分パニックになっていると頭の中にメッセージが届いた。
『VITとは、Vitalityの略で翻訳すると『生命力』となります。分かりやすく言うとどれほど肉体が壊れにくいかです。』
あ、そうなんだ。ていうか何か急に出てきたぞ。誰だお前?
『ストレージスキルです。回答可能な質問などにお答えします。』
ほうほうそうですかそうですか。
円周率の第28175番目の数字は?
『質問の内容がよく分かりません。もう一度お願いします。』
出来ないんかい。いやまぁ、俺も円周率なんて暗算できんが・・・
とりあえず、『回答可能な質問』っていうのがどんなものなのかを聞くことにした。
『ステータスやスキルに関する質問、一部の所有アイテムの名称です。』
一体いつからいたんだ?正直急に話しかけられてビクったぞ。
『あなたがストレージスキルというスキルを認識した時からです。それまで質問が無かったので沈黙しておりました。』
融通の利かんコンピューターみたいだな・・・
『・・・』
ヲイ何か反応してくれよ。
あれ?怒っちゃった?悪かったって、謝るから…
『・・・』
ダメだこりゃ。確か、ステータスやスキルに関係する質問なら反応するんだよな?
とりあえず、表示の中で分からないものをいくつか質問しよう。
え~っと・・・俊敏性、正確性、知力、魔法防御力、って何だ?
『AGIはAgility、俊敏性を意味します。DEXはDexterity、器用さ・機敏を意味します。INTはIntelligence、知能・理解力を意味します。MNDはMind、精神力を意味します。』
ちょっと待て、何で精神力が強い=魔法防御力が強いんだ?そしてAGIとDEXの違いが分からん。
『魔法とは、世界に干渉し、事象を引き起こす事を言います。魔法は、魔法を否定する概念や考えの強い方は魔法の影響が低いのです。さらに、周囲の認識に左右されないというのは己を曲げない精神力があるということなので、結果的に魔法防御力が高くなります。』
う~ん・・・つまり、俺は前世であまり魔法に馴染みが薄かったから、やけに魔法防御力が低かったのか?防御力みたいに無限じゃないのは、魔法的なやつがいくらか存在したから完全に否定出来てないのか?
言外に俺は石頭だと言われた気がしたが気のせいだろう気のせい。
『俊敏性を分かりやすく言うと100m走を何秒で走れるかです。正確性は分かりやすく言うと敵を殴るときにいくら早く、狙った位置を殴れるかという感じです。』
さらっと言ってるけど、何で100m走なんて知ってんだ?この世界にm法なんて存在しないはずだぞ?
『あなたの記憶から解析しました。』
何だろう・・・他人にプライベートを赤裸々に覗き見された気分だ・・・
つまり、俊敏性は全体的な素早さで正確性は瞬間的な素早さって事か?
『そのような認識で理解できるのならばそれで構いません。』
ヲイ、何だその言い方・・・まるで俺が出来の悪い生徒みたいじゃないか・・・
はぁ、話を戻すが、防御力無限って何だ?何がどうなったら∞なんてふざけた数字になんだ?
『不明です。あなたの記憶の中に神を名乗る存在とともに活動した記憶が存在するため、それが原因かと。』
本当に俺の記憶を勝手に覗き見るな・・・
たしかに、神界でいくらか修行をしたことは事実だが、転生神様は転生先で神界と同じ様な防御力は得られないって言ってたぞ?
『それ以外ですと皆目見当が付きません。』
ステータスに関する質問なら全て任せろとか言っていなかったか?
『確かにおっしゃいましたが、ステータスの数値に関してはスキルが介入しない限り私が教えられることはございません。精々、どのステータスがどれを意味するかの解説が出来る程度です。』
使えねぇ・・・
話は変わるが、防御力が無限の割にはブーマに結構ボコボコにされているが?
それに、一体何時からこんなおかしな数字になっていたんだ?
『防御力は飽く迄肉体が壊れにくいだけで、衝撃を吸収できる訳ではございません。プレスされた時に死にはしませんが押しつぶされている感覚はございます。あなたがいつもブーマに倒されるときは打撲が原因ですよね?それは衝撃まで吸収出来てない証拠です。慣れれば自然と無視出来ます。また、防御力は打撃・斬撃には強いですが、刺突などの一点集中型の攻撃は防ぎにくいので牙などの攻撃が肉体に食い込むこともございます。』
何それ怖い・・・
『ご安心ください。あなたの方が牙の耐久度より圧倒的に高いので、かみついた状態で振り回せば逆に牙を根元から折れるでしょう。それに、例え心臓を折れた牙が突き刺したとしても死にはしません。痛みはありますけど。』
それはそれで生き地獄なような・・・
ステータスの事は分かったから、今度はスキルについて教えて貰おう。
『スキルは技術などを名称化し、視認しやすくしたものの総称です。』
「・・・」
『・・・』
・・・え?終わり?
それだけ?いや、それ位俺にも分るよ。
『スキルに関する解説はそれ以上出来ません。スキルとはそういうものです。』
ダメだこりゃ…
俺はステータススキルへの論理的な会話を諦めた。
頭を抱えて自分が持つ膨大なスキルを見ていた所、一つだけスキルの名前の後にローマ数字が書かれていないスキルを発見した。
「なぁ、何でこの毒操者ってスキルだけ数字が書かれてないんだ?それにこれ、神殿でスキルを調べてもらう時に貰った紙にはかかれていなかったんだが。それと、特殊スキルってそもそも何だ?他のスキルと何が違う?」
『特殊スキルとは、他のスキルと比べて常識から外れているスキルのまとまりです。私こと『ストレージスキル』も本来は詳しくは分からないステータスを数値化したり、好きなステータスへポイントを割り振れば望み通りの肉体を作れるため常識から外れています。』
半ば期待していなかったが、以外にもまともな返答が来た。
返ってくる情報が使えたり使えなかったり、どことなくチグハグしてんなぁ・・・
『毒操者はあなたの固定技能なため、他のスキルとは一線を画したスキルなため分類上は特殊スキルに分類されます。また、固定技能は神からの恩寵ですので、普通の方法では知ることが出来ません。』
ほうほう、スキル内容は?
『名前の通り、毒物を自由自在に操れます。毒物を摂取すれば情報を分析し、摂取した毒物自体と抗体となる真逆の作用を持つ毒物を使用できます。また、直接間接を問わず毒物によって死ぬことがありません。』
そういえば今更だが、死んだ直後に転生神様から似たような名前のスキルを貰ったような・・・
あの後すぐに神様たちの元で修行していたからすっかり忘れてたよ。
あれ?そういえば、毒物による間接的な死因ってどんなのが該当するんだ?
『出血毒による出血性ショック死、麻痺毒による心停止または倒れた際に呼吸困難になった結果の窒息死、他にもいろいろございますが、分かりやすく言うとこんなところですね。』
あ~・・・5歳のころに毒蛇に噛まれて死ななかったのはそれが原因か・・・
『補足としては、このスキルは死なせないだけで、肉体の中で抗体が作られるまではずっと苦しみ続けますし、下手をすれば毒を無力化して逆に死にますよ。』
そりゃそうだ。
あの時も毒よって腕が蝕まれる感覚は症状が治まるまでは引かなかったしな。
毒を無力化した結果死ぬというのは、つまりあれか?麻痺毒を無力化したら、無力化した場所が狭い密閉空間で窒息死するってことか?
『そういうことです。加えて、未だに摂取していない毒物は情報が無いので扱うことも抗体を作ることも不可能です。』
現在使用可能な毒物は?
『出血毒を摂取したため、出血毒自体と抗体となる血液凝固毒。あとは回復薬を摂取したので、治癒毒と相反する能力を持つ腐敗毒です。』
ちょっと待て、何故治癒の反対が腐敗なんだ?
そしてあの時回復薬が効きづらかったのはこのスキルのせいか。
回復薬は毒じゃないはずなのに何で抗体作ってんだ?
『治癒のとは傷を癒すことを言います。直さないで放置すれば、下手すれば傷口が腐ってゆくので腐敗で間違ってはいません。』
そうかなぁ・・・いや、傷口からバイ菌入って傷が悪化するとは聞くけど、それって腐敗なのか?
『あなたの記憶から毒操者が判断したので私に聞かないでください。』
とうとう説明投げ出したよコイツ・・・
何?反抗期?反抗期なの?お父さん心配。
『そして、毒とは、肉体からすれば自己以外のもの全てです。回復薬を毒と判断したのは体内へ入ってきて肉体の再生速度へ干渉したからです。』
俺のボケを無視してストレージスキルは淡々と説明を続けた。
ちょっと悲しい・・・
まぁ毒は薬にもなるともいうしね。
薬も毒も同じなんだよきっと。
『その様に考えていただいて結構です。言い忘れていましたが、あなたが5歳の頃に抗体を作るのに数日要しましたが、意識的に使えば一瞬で出来ます。』
え?何でそんなに抗体作るのに時間差が出来るの?
『抗体を作成するのには魔力を消費します。あなたは、魔力が少ないので、抗体を作るのに時間が掛かります。無理矢理作ることは出来ますが、最悪、その場合は魔力枯渇で倒れます。』
怖いなそりゃ・・・
あ、そういえば・・・確かストレージスキルって、戦うたびにステータスポイントなるものが出来るらしいな。今までにライラと戦った分とさっき襲撃者を撃退した分のステータスポイントを魔力に振りたいんだが、どれくらい増える?
『0です。』
・・・・・・・・・・は?
『0です。ステータスポイントが無いので増えません。』
あれ?戦闘で増えるんじゃないの?
『正確にいうと、一定以上の知能を持つ生き物を直接殺したときに手に入ります。あなたは、今まで生き物を殺していませんので。』
ちょっと待て、俺は5歳の頃に流血鰻を殺したぞ?それはカウントに入れないのか?
『あなたが私を認識する前の出来事なためカウントされておりません。』
あ、さいですか・・・確かに、俺がステータススキルを持っていると認識したあとは誰一人として殺してはいない。
最も、それならば明日から森に入って何体か害獣を狩ってみればいいか。
あ、一つ聞き忘れてた。
ステータスの平均値って分るか?
『不明です。私は、あなたのステータスを見ることは出来ても、他人のステータスを見ることは出来ません。』
なるほどな・・・そうすると、鑑定スキルを手に入れて自分で確認するしかないか・・・
ライラも誘って熊とか狩ってみようかな?
「あなた~、フィン~~、夕飯で来たわよ~!!」
キッチンからソフィアの声が聞こえたため、自身のステータスの事は思考の端においやり、母親の愛が籠った夕飯を食べることにした。
今日の夕飯は牛肉と野菜と豆を煮込んだスープとインドのチャパティみたいな外見のパンだった。




