プロローグ
「っ!?ハァ、ハァ!!?」
胸が苦しい・・・心拍数が上昇し、呼吸が荒くなる。
まるで、心臓を握りつぶされた感覚だ。
「だ、誰か・・・」
助けを求めるも、答える人は誰もいない。
時刻は深夜の2時。こんな時間まで残業をしている人など、俺位だ。
日高清24歳・・・この日、俺は死んだ。
俺が就職した会社は俗に言うBLACK企業だったので、恐らく過労死だろう。
頭の中に流れる走馬灯の中にも碌なものが無い。
まだたった4つの時に運転中の交通事故で両輪は亡くなり、預けられた孤児院では、虐められ続けた。
ようやく預けられた里親の元でも『良い高校』、『いい大学』へ進学するために勉学を強要され、少しでも成績が下がれば虐待された。
楽しかった記憶など、無いに等しい。
大学卒業後、独り立ちしたが、卒業したばかりの青年が大した知識もある訳なく、案の定就職した会社はBLACK企業だった。
本当に碌な記憶が無い・・・
そういえば、大学での授業中に輪廻転生の話を聞いたなぁ・・・
もし、存在するなら来世はもっと楽しく生きたいなぁ・・・
あらすじの通り、清がルインと共に旅をする前の物語です。
ルインとの物語をメインに書いてゆくつもりですので、投稿頻度は高くありません。




