Story5
春江組、いざ朝霧組へ
--------Story5.Life Hunter【命を狩る者】・後
ダァンッ!!!
「うわぁっ!!!!」
「ぐあぁっ!!!!」
次々と朝霧組の配下の男が倒れていく。
「まだまだね」
「涙歌様、またです」
「ふぅ、懲りないわね」
ダンダンダァンッッ
「ぐあっ」
「がぁっ」
「さっさと此処のリーダー出さないと全員潰すわよ」
「涙歌、暴れ過ぎ。」
朝霧組の隠れ家に入った瞬間、涙歌は朝霧組の配下を容赦無く潰す。
春江組Aクラスの配下達も涙歌に続いて朝霧組配下を潰す。
それを呆気に取られたかのように呆然と旭が見ていた。
「…春江組って、強くてカッコイイけど、やっぱ…恐ェな。」
「んか言ったか、旭。」
「い、いえ!何も言ってません!る、涙歌殿!!!(焦)」
「早く行くよ」
「お、おう」
涙歌は朝霧組の奥へと突き進んで行く。
コツコツ…
カツカツ…
コツン…
涙歌は立ち止まった
「どうした、涙歌?」
「……誰かいるわ…」
「なに?!」
カツカツカツ…
廊下の奥から一人の人物の影が。
「……誰だ…?」
旭が尋ねた
その瞬間…
ダン ダァンッ
「ぐあぁぁぁっ!!」
「うがぁぁぁああっ!」
「何ィィイ??!!」
春江組の優秀Aクラス配下が不審な陰に撃たれた。
「ちょ、大丈夫?!」
「うっ…」
「ぐっ……」
撃たれた涙歌の配下二人は肩や足を一発ずつ撃たれた為、命には別状はない。
「わざわざ春江組からこの朝霧組にへと足を運んでくれるとは…光栄光栄…」
不審な陰が涙歌達に声を掛けた。
「………あんた………」
「お前誰だ?!」
「………クックックッ」
不審な陰は旭の質問に答えず、不気味な笑い声を発する。
「気味が悪いわ!アンタ何者!?」
「僕は…朝霧凍伊。」
「朝霧凍伊だと?!」
「アンタね…朝霧組リーダーは。」
「そうだね…でも、もぅリーダーと呼ばれる事は無いようだね。」
「そうね?全員アタシが潰したんだ、もう、アンタはリーダーも何もないわ!」
「……………君の狙いは?」
「アンタでしょ?此処の手下共にアタシ達を見張らせてたのは。」
「そうさ。でも、その人達も君の手によって潰されたようだ……流石、“Life Hunter”だ。クックックッ…」
また朝霧凍伊は不気味に笑い出した。
「で?此処の手下潰して、次は僕を潰す?朝霧組を確実に潰しに来たんだろう?」
「ええ、潰しに来たわ。でもアンタを殺す気はない。」
涙歌のその台詞を聞いて少々驚き気味の凍伊。
「じゃあどうするツモリだい?」
「配下に入れる。春江組の。ね…」
「……は、はぁ?な、何言ってんの?君?」
「アンタの力なら…そうね…、Aクラスに入れてあげても良いわ。」
「な?!力ってまだ見てないのn「実力は実際に見なくとも貴方の目だけでも見れば解るわ。」
「へ、へぇ?大した観察力だ。流石Life Hunterだ。」
「春江組のリーダーがやる莫迦な事って知ってる?」
凍伊は涙歌を睨み付け答えた
「……他の組の奴等を春江組の配下に入れる…。拒否した場合はその場で殺す…。」
「そういう事。さぁ、どうする?仲間に入る?」
涙歌は不敵な笑みを向ける。
「アンタはまだ死ねない。だってまだやり残した事が…あるものね?」
「な、何を言っt「まだ全ての復讐は出来てない。」…な…………なん、で……」
驚いた顔で、そして辛そうに涙歌を見つめる凍伊を見た涙歌は、優しい眼差しで凍伊に言う。
「私が、貴方の復讐の手伝いをしてあげるわ。誰だって大切なモノを亡くすのは辛いもの。私が、貴方の側に、ずっと居るよ。」
「……本当に…」
「勿論だよ。」
そう言うと、凍伊は急に意識を失い、倒れ込んだ。
「お、おい?!」
「大丈夫だって。きっと怒りと悲しみが大きくて、ずっと寝れてないんだよ。」
凍伊は穏やかな寝顔をしている。
そして規則正しい寝息を立てている。
「怪我してない奴、この人を担いでって」
「了解!!」
凍伊は春江組配下の一人の男が、担いでいった。
旭は涙歌の隣で呟いた。
「Life Hunter…」
「…何」
「Life Hunterの色々な噂をよく耳にする。敵の組を自分の傘下に入れたり、人の命を余裕で狩ったり、だからLife Hunterって呼ばれるんだって。」
「……ふーん」
旭は涙歌よりも三歩進み立ち止まり、涙歌を振り返り、言った。
「皆がそう言う中、一人だけ、違う意見をした。」
「違う…意見?」
「ああ。[Life Hunterは人生を変える。要らない人生、嫌な人生を捨ててくれる。だからLife Hunterと呼ばれるんだ]ってね。」
涙歌は一時停止し、旭に聞いた。
「…誰、ソレ言ったの…」
「……さぁな」
「…………アンタ一体……」
涙歌が言葉を止めると、旭は不敵に笑った。
―Life Hunter…それは命を狩る者を指す。と、同時に“運命を変える者”とも指す。―
―――涙歌は、本当は悪い奴じゃないんだ…
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