Story4
何か長いです…
水城が来てから妙に視線と気配を感じる…。
跡を付かれている?監視されている?
--------Story4.Life Hunter【命を狩る者】・前
「涙歌様っっ!!」
後ろで私を呼ぶ声。
後ろを振り返れば怯えたような色を帯びた目をした水城。
今にも泣きそうだった。
「どうしたの?水城」
「誰かが水城の跡を付いてくるんです〜」
水城はそう言いながら私に抱き付いて来た
「水城にも……って事は旭にも付かれているって事か」
「え?」
私は少し考え、水城の手を引き歩き出した。
「へ?涙歌様??」
「大人しく着いて来なさい。」
今の涙歌の瞳は黒く帯びていた。
それに気付く水城は背筋がぞくっとした。
涙歌は日常生活では普通の瞳だが、マフィアと関係ある事になると、今のように瞳の色が変わるのだ。
涙歌が向かった先は旭の所だった。
黒羽学園敷地内にある教会に旭は居るようだ。
中に入れば偉そうに椅子に座っている旭の姿が。
「ん?涙歌と餓鬼じゃん。どうかしたのか………!!?」
旭は涙歌の瞳の色が変わっていることに気付いた。
今にも人を殺しそうだ。
「…何かあったのか……?」
「無防備ね。気付いてないの?誰かが監視してることに。」
「…まぁ、視線を感じるときがよくある。それもその餓鬼が来てからな。」
と言いながら、旭は水城を指した。
水城はすぐに反論した。
「わ、私はなんの関係もありませんっ!!」
「お前がなんか小細工やってるとしか考えられないだろう!??」
「違いますっ!」
「やめなさい。水城は無罪よ。」
「涙歌様ぁ〜!!」
「これは、前から春江組が狙われてたの。多分これもその類よ。」
「………どうするんだよ?」
涙歌は一息入れてから口を開いた
「……敵を…潰すわ。」
「潰すって…どうやって?」
「…敵の配下を………殺す。全員ね。そして敵のリーダーを仲間に入れる…」
「なっ???!!」
「涙歌様!それは危ないです!」
「大丈夫よ。前にも同じ事を何度もした。」
「「………。」」
水城と旭から唾を飲み込む音がした。
「………決選は……………今宵……」
_____今宵、私は敵に血を流させる…………
深夜0時を回った頃、涙歌は水城と旭を組で待たせ、一人である薄暗い路地に入った。
路地に入って少し経った頃、誰かが涙歌に飛び掛かって来た。
「来たわね。」
ダァンッ
涙歌は躊躇いもせず相手を撃ち抜いた。
「弱いよ、アンタ。」
また次々と敵が出てくる。
涙歌は焦りも見せず、余裕で敵を次々と撃ち抜く。
敵が出てこなくなったとき、涙歌の携帯が鳴った。
「はい。」
『涙歌様、水城です。』
「水城、どうかした?」
『敵組の事分かりました。』
「どうだった?」
『敵の組名は【朝霧組】。リーダーの名前は【朝霧凍伊】、男性です。年齢は18歳。常盤高校三年生です。この方が生まれて間もなくご両親が何者かに殺害され、施設に入れられたのですが、彼が8歳の頃、朝霧財閥社長【朝霧一晃】に朝霧の養子として迎えられ、今現在に至るそうです。朝霧に養子として迎えられる前は【清水凍伊】と言う名前でした。因みに朝霧財閥社長朝霧一晃は3年前に病で亡くっております。ガンだそうです。』
「……」
水城の情報網は確かに役立つ。
対した能力だ。
半端ない。
「…優秀ね、水城。」
『有難う御座居ます!』
「でも、変ね…朝霧財閥はマフィアとは何の関係も無かったわ。」
『はい、最初はそうだったんです。だけど朝霧凍伊が10歳の頃、彼は過去に自身のご両親を殺した者を突き止めたんです。でも相手はマフィアだった為、朝霧財閥も朝霧凍伊によってマフィアが出来たそうです。彼はやはり相当相手を憎んでいた様です。』
「相手のマフィアは?」
『【音海組】なんですが、朝霧組が出来て暫く、音海組は朝霧組に潰されてしまったようです。誰一人として生き残っては居ません。』
「そう…」
暫くってことは…かなりの強敵なのね、朝霧組は…
「場所は掴めた?」
『はい、今、涙歌様はそのお近くにいらっしゃいますよ。』
何故水城は私の居場所が分かるのかって?
私が今着けている首飾りに発信機が着いているから。
これは春江組の優秀な機械者が作った物。
かなり高性能だ。
水城が言うにはあと1km行った処に朝霧組はあると言う。
「じゃあ、春江組の優秀団を朝霧組へ向かうよう指示して。」
『了解です!』
『俺も行くぞ!!』
『Σはっ???!!ι何言ってるんですか?!貴方は指示外です!』
『んだとぉっ!!!??』
どうやらバックで水城と旭が争っているようだ。
「はぁ…。水城ちゃん…そいつ煩いから念の為春江組の優秀団と一緒に来させて。」
『はい』
『本当か、涙歌!』
「唯し、貴方は着いてくるだけ。手を出すな。」
『なんでだよ!!?』
「リーダーは私だ!私に逆らうのならば、海城、お前を降ろす!春江組からな!」
『なっ』
『どうせ貴方は春江組に信頼を持たれて居ないんです。居ようが居まいが同じですよ。此処は大人しくLife Hunterの言う事聞いたらどうですか?』
『餓鬼は黙ってろ!』
Life Hunterとは私の別名。
「どうする?」
『……………………っ!分かったよ!付いて行くだけでも良いんだな!』
春江組に残った他の組員は水城を守るように指示をした
状況的に水城が狙われているような気がしたから。
ザッ……
「………此処が朝霧組か…」
「リーダー涙歌様っ!春江組配下A級共に海城旭、只今到着致しました!」
『級』と言うのは、春江組が決めている階級の事だ。
私が呼んだのはA級、つまり1番強く1番優秀な配下の事。
「乗り込むのか?」
「あぁ。手出し、すんなよ?」
「…分かってる」
Life Hunter【命を狩る者】は今朝霧組へ乗り込む。
--------Life Hunter【命を狩る者】・前
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