生活-SĒKATSU-
前回のあらすじ
家が狭くなった。(まあいいけど)
「さあ、本日から居候させてあげるから、色々とこの家のルールを共有しておくわね」
「本当にありがとうございます。よろしくお願いします」
さてさて、夕飯を食べ終えた私たちは、本格的に向かい入れの体制を整える。
鈴鳴さんは、家主のおねーさんに頭が上がらないようで、早速下僕になりかけている。
「まず家事の当番。まじで一番大事。メモをしなさい」
鈴鳴さんは、メモ用紙と筆をすでに持っていた。
まじでいつ手に入れたの?
土地勘はないくせに、順応するの早くない?
あと筆だと字滲まない?
「とりあえず、今はたくさん覚えて欲しいことがあるから、分担はまた今度…」
いやなんやねん。
そうしておねーさんはいろいろなことを教え込んだ。
溜まったゴミを捨てる場所、品揃えの良いスーパーの場所。
混ぜてはいけない洗剤はどれとどれか…。
この人は仕事しない私を信用していないので、鈴鳴さんになるべく任せようと、ものすごい量のタスクを任せている。
どんだけメモらせる気だよ。
永遠と命令を言わされる鈴鳴さんの身にもなってほしい。
現状、鈴鳴さんが下僕なら、おねーさんは王様みたいだ。
そのレベルで従えてしまっている。
大丈夫かな?
鈴鳴さん…。
っていうかさぁ!
「ねぇ!ぎこちないから、鈴ちゃんって呼ぶね」
二人の間に割って入る。
「す、すずちゃん…?」
「いいわね。私は…私の方が年上っぽいし、呼び捨てにするわね」
「え、いきなり…?」
「ねぇ鈴ちゃん、部屋どうする?」
「部屋も用意してもらえるんですか!?」
「うーん確かに、部屋どうしよっか。倉庫っぽいとこ開けられたらできるかも」
「お手伝いします!」
うーーん。
下手に部屋の話題を出したのは間違いだった。
使ってないマッサージ器具の箱。
誰も着てない服の山。
人に見せるものではない。
「えと…すぐ片付けるから…」
こんなことなら、呼び方決めまでで留めるべきだった。
私のお喋りな癖も、流石に治さないとかもなぁ。
そんなこんなで翌日。
鈴鳴さん改め鈴ちゃんはまだ寝具の用意ができていないので、ソファーで寝てもらった。
ごめんねー。
また今度寝具を入れて、鈴ちゃんの部屋をしっかりさせよう。
鈴ちゃんのインテリアセンスも気になるし。
今日はおねーさんが仕事に行き、私と鈴ちゃんの二人きりだ。
何か遊んだりしようかと思ったが
「いや、今日はベランダで座禅を組んで精神統一をやってから、刀の素振りをする予定なんだ。おまめにご飯もやらないとだしな。すまない」
と言っていた。
武士らしく勤勉だ。
そっとしておこう。
さて、では今日の私は契約通り、バイトを探すことに決めた。
なんのバイトがいいかなー。
接客業? それとも体力使うやつ?
いや、私は運動不足ネキだ。
引っ越しやウーバーは向かないだろう。
となるとコンビニとかかなー。
ちょうど近場にあったはず。
でも出会いを求めるなら、飲食店とか、カラオケだよなぁ。
確かに、ここで色々経験を積んだり、先輩と仲を深めたり、出来ることが多いかもしれない。
よし、じゃあチェーンの マックリア に応募しよ!
そうしてちゃちゃっと履歴書を書き上げて、応募しに行こうとしたところで、
「ちょっと待って!」
と、鈴ちゃんに呼び止められ
「ごめん、ちょっと探し物を手伝ってくれないか?今すぐ!」
と、声をかけてきた。
冷静な顔つきはなく、とても焦っているようだ。
「すぐ向かわないと、盗まれてしまう!はやく!!」
「ちょ、ちょっと待って!盗まれるって何を!?」
「銀道の動力石だ!あいつらが嗅ぎつける前にはやく!」
「見つけたらなんかくれる?」
「んんん駄菓子買ってやるよ!」
こうして私の単発バイトがスタートした。
日給:駄菓子 未経験OK・即採用 です! やったね!
生活-SĒKATSU- 御終




