連行-RENKŌ-
前回までのあらすじ
男と鳥を拾った。
そして今は、私の家に向かっています。
「ねぇ、どこから来たの?」
「その刀はどうしたの?」
「その格好はどうしたの?」
知りたいことが多すぎて、思わず質問攻めしてしまう。
「え、えっと、まず僕もどこから来たかわからないんだ。目が覚めたらあんなところにいたとしか言えない。だから、僕もここがどこか知らないんだ」
「そうなんだ、記憶喪失?」
「それもわからない。だけど、断片的な記憶は残っていたりするから、絶対に記憶喪失とも言えないと思うんだ」
「う〜ん難しいな〜。まあでも、ここら辺のことならなんでも教えてあげるよ」
「ありがとう、助かるよ」
そう言って微笑む彼。
やっぱり悪い人には見えない。
「むしろ、僕から君に何もしてあげられそうもないんだ。すまない」
「いやいや、気にしないで!」
「いや本当に、僕から教えられることもないし…」
「じゃあ、その刀とか、服とかの事教えてよ!」
「ああ、これか?この刀は、名を‘銀道’と言って、鋭利で硬度の高い鉱石を使って作られているんだ。実は、この刀もこの鎧も、僕のお父様が作ってくれたものなんだ。」
「え、手作り!? 手羽先が器用なお父さんだね」
「それを言うなら手先が器用だね。まあでも、本当に器用な人で、たしか他にも色々作っていた気がするが、あいにく覚えていない。ただ、凄い人だということは間違いない」
鈴鳴さんを育てたお父さん、凄く逞しそうだ。
でも、親子揃って優しかったり。
そんなことを考えながら、私たちはいろんなことを話した。
おまめちゃんは、何故か静かに周りの様子を警戒して話せなかったけど。
それでも、私は新しい友達ができたようで、楽しかった。
あらかた東京の街のことも教えられたし、そろそろ家に入ろう。
足も疲れてきたし、眠いし。
そうして私の家に着いた。
おもてなしできるものあったかな?
まあでも、とりあえず家に上げちゃおう。
そう思って、鍵をさして、ひねる。
が、鍵がかかっていない。
家の扉は、開きっぱなしだったのだ。
…え? もしかして、空き巣でもされちゃった?
私のSwitch2盗られちゃった?
「大丈夫ですか?」
「え、、うん!」
そう言うが、内心しっかり焦っていた。
どうしよう、私の新生活が台無しになってしまう。
いや、心配しても仕方がない。
とりあえず、家の中を見よう。
そうして覚悟を決めて、勢いよく玄関の扉を開いた。
そこには、女の人が立っていた。
「おかえり〜。どこ行ってた…え!?誰!?刀!?」
…あ。
言い忘れていました。
私は、親戚のおねーさんと同棲してます。
連行-RENKŌ- 御終




