ギリスとメイナード
ギリス・ロズワルドは苛ついていた。
俺は選ばれた人間だ。平民を統括し管理しているのだ。
奴らは管理しないとすぐにサボる、怠ける。
貴族と平民は違うのだ。
「かかってこい平民。俺に触れられたら自由にしてやろう」
ギリスは自宅の訓練場に連れてきた奴隷に向かって言い放つ
奴隷は木剣、ギリスはバスターソードを構える。
痩せたからだ、剣を持ったこともない奴隷は青ざめ震えている
「これだから平民は!気高さもなにもない!」
ギリスが踏み込み、剣を振るう!
奴隷の右腕が肘からボトリと落ちた
奴隷が悲鳴を上げる
「ふん!これだから平民は、我ら貴族の騎士は敵と対峙したら右腕を失ったら左手で、両腕を失ったら噛みついてでも相手を殺す。そんな矜持を持っている!お前たちは矜持も誇りもない!」
そういって奴隷の首をはねた
「はははははは!」
狂ったように笑うギリスを見ながらメイナードは思う
平民を享楽のために殺すなんてなんと勿体ない。
借金漬けにしたり、実験に使ったり有効活用すればいいのにと
実際メイナードは、違法薬物を使い下位貴族や裕福な平民の子息を借金漬けにして金を搾り取っていた。
貴族だからこのくらい許される。何しろ我々は国の中枢なのだ
彼らはそう思っていた。