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婚約破棄から断罪

卒業式を終え、卒業パーティでそれは起こった



「イリーシャ!お前はイリスの生まれ変わりのルルナをないがしろにし、そこの平民リリスを遣ってルルナをいじめてたそうだな!婚約破棄してルルナを新たな婚約者とする!」


サーフィスがルルナを堅手に抱きながら宣言する。



「サーフィス王太子殿下、私がいじめをしていた??そもそもリリスがいじめをした証拠はあるのですか??」


メイナードが


「私達が目撃しました。リリスがルルナを階段から突き飛ばしたところを、これは殺人未遂ですね。」



「俺はルルナを池に突き飛ばしたところを見たぞ!」




ギリスが叫ぶ。




彼らはイリーシャではなくリリスをターゲットにしたようだ。貴族であり王太子妃であるイリーシャには王家の影が付いてる可能性がある。賢明な判断だとイリーシャは思う。





負けるわけにはいかない。


「目撃証言だけではありませんか。それが証拠になるとでも??」


「高位貴族二人の証言は重い。彼らが嘘をついてるというのか!」



サーフィスが威嚇する



「まさか平民にも平等に接するとか言いながら、ルルナを傷つけるとはな!」



イリーシャは王を見るが動かない。



どうすればこの局面を乗り切れる?




考えろ、考えろ、考えろ




鮮血公を見ると鮮血公はリリスを見つめていた



その時



「発言よろしいかしら」




「平民!お前の発言は許可しないぞ!」




リリスの発言をメイナードが遮る



「当事者のリリス様に発言をさせないのは冤罪だからでは?」



イリーシャは返すが



「高位貴族の証言と平民とは重みが違う、何を言おうと覆ることはない!」



サーフィスがニヤリと笑う。勝ちを確信しているのだ。





「私はフリードリクス様に聞いているのです。王太子以下は黙っててくださいませ」



「なっ」 


リリスの発言に場が凍りつく




「不敬だぞ!この場で殺してやる!」


ギリスが剣に抜き放った



「よい、発言を許す。リリスの好きにするがいい。その結果リリスが殺されようと私は何もしないというのが私とリリスの契約だ。」


一線を退いた隠居の身であったフリードリクス様が久しぶりに政治に口を出した。唖然とする貴族達。



イリーシャは違和感を感じる。フリードリクス様は契約と言った。



平民でなんの力もないリリスと契約。その対価はなんなのだろう?




「ではお聞きしますが、なんのために私はルルナ様をいじめたというのでしょうか??」





「それは簡単なことです。イリーシャ様を王妃にするためにルルナ様をいじめて我々の力を削ごうとしたのです。」



「なんで私より弱い貴方たちを私がいじめるの?そんな陰湿なことしなくとも、貴方方の排除など簡単なのに」



ふふふっと馬鹿な人達と笑うリリスにギリスが激昂した。



「俺より強いだと!聞捨てならん!俺と勝負しろ!その結果死んでも文句言うなよ!」



リリスはおかしくてたまらないといったふうにカーテシーをして

上位貴族のように満面の笑みで


「よろしくてよ、貴方は死ぬかもしれませんが、それもあなたの選択ですもの。」


「この平民が!鮮血公の寵をかさにきて!この俺が引導を渡してやる!誰かあいつに剣を!」



「あら、この祝いの場で決闘ですか?」



「怖気づいたか!後日にしたらお前が逃げるだろうが!」



「そんなに死に急がずとも人間の寿命は短いのに...」



騎士から剣を渡され無人のダンスホールに進むリリス。




メイナードは閃いた、これは見世物としたら莫大なお金をうむのではないか?と興奮した。


合法の殺し合い。賭けをするのもいい。


奴隷や見目麗しい女が無残に殺されるのを見るのも好きな客もいるだろう。




「この祝いの場を血で汚す罪をお許しくださいませ」




「お前の血だがな」



先程の騎士が審判をするとのことだ。




「はじめ!」



ギリスが飛びかかってくる。リリスは剣を抜こうとしたが




抜けない。審判を見ると笑っている



こいつもグルか、当然だ、相手は近衛騎士団長の息子だ




か弱い令嬢にここまでしないと立ち向かえないのかと、リリスはおかしくなる




それこそ自分に自信のない証拠ではないか



こちらが剣を抜けないと確信しているギリスは大きく上段から歓喜の笑みをうかべて



「死ね!」





その刹那、ギリスの右腕が剣を握ったまま宙を飛んだ。




「えっ」




驚愕の顔から





そして絶叫





「ぎゃぁーーー、俺の腕がーーー!」




リリスは落ちた右腕をから剣をひろい、



「さぁ、この国の騎士は右手を切られたら左手で、両腕を失ったら噛みついてでも相手を倒すそうですね。まだ勝負は終わってませんよ」



血と涙と鼻水をたらしながらギリスは初めて化け物を見るようにリリスを見た。


「さぁ、この国の貴族の、騎士の矜持存分に見せてくださいませ」



ふらふらと立ち上がるギリスの左腕を斬る


左腕が宙を舞う


「む、無効だ!この勝負無効だ!、なぁ審判、無効にして今直ぐ俺を治療しろ!なんであいつの剣が鞘から抜けてるんだ!」


ぐちゃぐちゃの顔でそう審判につめよるギリス、




「あら、やはり審判もグルなのですね、ギリス様大丈夫、ほら、審判は貴方を裏切ってませんよ。なぜなら剣は抜けてませんもの」



虚ろな目でリリスの剣を見る、鞘に入ったままだと!




「ヒィ!寄るな化物!」



「いつも大口叩いてた貴族の、騎士の矜持、証明する絶好の機会ですよ。ギリス様には噛み付く口もまだ両足もあるではありませんか、さぁ一矢報いてくださいな」



審判が無効を言おうとしたとき、



「この試合を汚したら死にますよ」



背後からリリスが囁いた




いつの間に審判の背後に来たのかわからない。



審判は青ざめながら動けなくなった。



「興冷めですわ、あれほど貴族の矜持といっていたギリス様がこのていたらく、近衛騎士団長は何を教えていたのか。ギリス様が得意なのは弱い者いじめだけではないですか」



終わらせましょう




そう言うとリリスはギリスに近づいて、首をはねた。


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