第5話 死刑宣告
今回は三人称視点
ドンドンドンッ!
玄関の方から、扉が強く叩かれる音がした。
「何事?」
その音を聞いた、勇者邸の一室にいる三人のうちの一人、”勇者” ワイ=ウィーヴィングは困惑の声を上げる。
「なんでしょうかね?」
同じくその音を聞いた一人である”魔法使い” ゼト=アドラーも勇者ワイの声に同調した。
そして、その部屋で音を聞いた最後の一人、使用人のシェリノ=ハーネルはその二人の様子を見て、
「私が見てきます」
と言い残し、勇者の「ごめん、お願いできるかな」という謝辞を聴きながら部屋を出た。
部屋に残された勇者は、隣にいるゼトに
「誰だろうね?」
などと言いながら、机の上の黒蜜ミルクティーをすすった。
「「おいぃ! はよ開けんかいコラァ!」」
……玄関の方から120デシベルはありそうな怒号が聞こえてきたのは、ちょうどそのときだった。
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「おい、マジで何事だこれは」
勇者がぼやく。
現在、勇者ワイを含む三人は玄関で、見知らぬ強面の男たちと対峙していた。
男達は鎧で武装している。
その男達のうちの一人である金髪男が、急にわざとらしい笑みをたたえ前に出てきた。
「これはこれは、”元”勇者様。お元気でやがりましたか?」
「……えっと……誰だお前は?」
勇者はマジで知らんという顔をした。
それを見た男は、今の笑顔を保ったまま悔しがるように、或いは驚くように表情を忙しく変えた後、言った。
「なんと、お忘れでしたか。我々は王直属の特別騎士団のひとつであるマルホ騎士団。そして私は団長のヒル=ドイドであります。”元”勇者様とは何年か前にカバ戦線でご一緒に……。まさかお忘れということは」
「そんな奴もいた気がする。いたことにしよう。それでマイハウスに何の用だ」
「あー、それでしたら」
勇者が強引に本題に入ると、ドイドは特にそれを気に留める様子もなく懐から巻物のようなものを取り出して、中身を開いて見せた。
そして、言った。
「えー、”元”勇者様。あなたは死刑です。そしてこちらは、王様直筆の処刑令です」
それを聞いた勇者はゼトの方を見て、
「ゼト。そういうことらしいから、今すぐ夜逃げしよう」
ゼトは、心底あきれた様子で言った。
「まだ夜じゃないですし、そもそも『夜逃げ』っていう言葉の使い方間違えてます」
今のところ1話約千文字ペース。
このままでは終わらないかもしれない。
頑張る。