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灯と闇

「何考えてんだよ悠!」

「こんな素性の知れないドブネズミと暮らすなんてありえないですの」


幸運と思ったのもつかの間、日が暮れ、帰ってきた二人の住人の激しい反対の声が家中に響く。


「どこから来たのかもわからないやつを、家に置くって本気で言ってんの?悠」


少し、男っぽい話し方をしている女性は、ショートヘアのあかりこの家の力仕事担当だとか。さすがと思う体つき、肉体労働も頷ける。


「悠を暗殺しに来たんじゃないんですの、このガキ」


杖を片手に先ほどから凛に冷たい、冷たいどころか、極寒の視線を送っているのは、肩まで髪がある、やみ。ガキと言われてるが、背丈から言えばかなり幼く見える。一言はっきり言えるのは、かなり毒舌!

二人の止まらない、凛を住まわせることに対しての反対意見、凛も何か言おうとしたが、いう前に闇が杖を発光させながら


「今喋ったら、殺してやるですの」


と静かに脅された。仕方なく、悠の横に突っ立って泣きそうになるような言葉の数々を聞いていた。


「もー、二人とも言いすぎだよ、3日前、森で助けて家に連れてきた時は協力的だったのに」


数十分口論は続いていたが、終わらないか、もしくは、私が追い出されて終わるのかなぁ、なんて思っていた矢先、口論は悠の鶴の一声で収められた


「私は凛をこの家に住まわせると決めました!二人がどうしても嫌なら、凛とどこか別のところで二人で住みます!それで良い?」


自分の意見を主張する強い声、それでいて優しさを感じさせるような、大好きだった母親に叱りつけられる時のような、反論できなくなる空気を作り出していた、しばらくの静寂の後、先ほどと比べると少し落ち着いた声で灯は話し始めた


「わかったよ、悠がそこまで言うなら良いよ、でも悠は戦うのが苦手なんだしこいつと二人きりになるのはさけて、何かあってからじゃ遅いし」


少しほおを鬼灯ほおずきほど膨らませた悠が怒り口調で話す


「もし何かあるなら、とっくに今頃、私は何かあった状況になってます」

「悠、冗談じゃないんだ、俺は悠に何かあったら、きっと、正気じゃいられない」


しばらく灯と悠は目線を合わせた後、悠が目線をそらす


「わかってるよ、灯は昔から心配性なんだから」


一息つくと、悠は闇の方に向き直る


「闇はわかってくれる?凛を家に住まわせること」


闇は悠の横に立ってる凛の顔を見つめると


「わかったの、悠がそこまで言うなら、このドブネズミを家に置くことに異論はないですの、ただ」


持っている杖が発光する。


「私のことを知らないふりしているみたいだから自己紹介しておくの、私はこの世界中知らないものがいないほど名の売れた、最強の魔術師、四天王の一人といえばわかりますの?」


ピンと来ていない顔を浮かべる凛


「見事な間抜け面ですの、知らないなら、言いたいことをあなたのような4歳児でもはっきりわかるよう言っておいてあげるですの」


杖が黒く発光し、小さな魔法陣のようなものが一つ浮かび上がる。ファーと不思議な音を出している。凛は泣き出すかと思うほど恐怖を感じていた、無意識に悠の服を指先でつかむ、それを見た闇は一層声を荒らげた


「私は家族として悠を愛しているの、悠を傷つけるものは誰であろうと許さない、あなたが悠にとって害虫だと判断したら、生まれたことを後悔するほどの苦痛を与えますの。一言一言の言動に注意して生活するといいですの!」


杖から、火の玉がすごい速さで凛の耳元を通過した、そして後方でガシャーン、と明らかに窓の割れた音が聞こえた。あまりの出来事に凛は硬直していた、かすかに髪の毛が焼けた匂いがする。


「こら!闇!」


窓が割れた音以上の衝撃が凛、灯、闇を襲った。悠は、闇の杖に手をかざす、するとたちまち発光はおさまり、魔法陣や音も消えた、すぐさま悠が闇から杖を取り上げる。


「何事にもほどってものがあるでしょう!凛が怯えてるじゃない!明らかにやりすぎ、闇は私と同じで魔力感知が使えるでしょう!凛に魔力がないのだってわかっているはず!窓を治せるからって簡単に割るんじゃない!」


急な悠の大声に闇はしばらく、唖然としていた。悠は杖を灯に投げ渡すと闇を抱きしめた。


「闇が私のこと思ってくれてるのは嬉しいけど、人を傷つける行為は私は嫌いなの、凛だって、私たちと同じで感情があるの、あんな言い方したら心が傷つくでしょう?それに、火球を使うのはやりすぎ、闇は偉い子だから、私の言ってることわかるよね?」

「うん、わかるの」

「偉い偉い」


悠はそのまま何度か若干潤んだ目をした闇の頭を優しく撫でる、その様子を灯が羨ましそうに眺めていた。闇が落ち着いたことを確認すると悠は離れた。凛もその間に落ち着きを取り戻し、闇は絶対幼いなと思いながら少し萌えていた。悠はパンと手を叩くと


「さて、自己紹介とかは晩ご飯を食べながらにしましょ」


そう言うと台所に向かう悠の背中に、リーダーシップという文字が見えたような気がした。

闇は悠が大好き、この世界で最強の四人の魔術師である四天王の一人。この四人は、めっちゃ強い天災級モンスターなどが出た場合に戦う。


闇の杖はこの世界に4本しかないめっちゃ強い杖の一つ。なので、杖を投げた悠の行動を他の四天王が見たら発狂もの。


あかりも闇も悠には逆らえない


ドブネズミの顎の力は、小動物を迅速に食べるため、とても発達している。


闇は非常に可愛い幼女、灯は非常に可愛い筋肉質戦士、って感じだって凛が言ってた。

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