天災級フェニックスと全滅
3000年・天災級モンスター、フェニックス出現。
3010年・天災級モンスター、ベルゼブブ出現。楓が女王になる。
3011年・闇が生まれる。
3012年・蒼が生まれ、蘭が親代わりになる。
3016年・蘭が四天王になる。
3017年・天災級モンスター、バハムート出現。
3019年・闇が四天王になる。蒼が聖女になる。
3000年蘭が家族を失う時です
その年はエトナ火山の噴火があった。噴火から23日後、アカーネーション街、昼頃、突然の地震と共に、王都から馬で3日ほど離れた町のど真ん中。突如、直径60メートルはある卵が地面を割り、あらわれた。伝達係がすぐに王都に向かう中、現れて数分で卵にヒビが入る。卵全体にヒビが入ると、パン!という破裂音と共に、卵のかけらが四方八方に飛び散り、中から天災級としては小さすぎる全長50メートルほどの黄色い鳥が生まれた。
すでに、卵のカラが街の中心地を破壊し、建物は壊れ、火の手も上がり始めている、逃げ遅れた人がカラにあたり死人も出ていた。黄色い鳥が羽を広げる前に、この街に配備されていた特級魔術師が駆けつける。
市民を守るため3人は防壁を貼り、2人が爆発魔法をはなつ、避けられることなく、鳥に命中した。
ドカン ドカーン!
ピュロロロローッ!
奇妙な鳴き声が辺りに響く、鳥の右翼は折れ、地面に伏せている、左翼は燃え始めていた。
「体が燃えているぞ!炎魔法が得意な者は前に!」
前衛の爆発魔法をうった一人が下がると、防壁を展開していた魔術師が入れ替わりで交代した。前衛の二人は杖を振り、大きな火の玉を鳥にぶつける。
ギギャァーアーアーギュリャァー!
耳をつんざくような声が響く、鳥の体が燃え始め炎はすぐに全身を覆い尽くした、しばらくして炎が治ると、真っ黒に焦げた鳥の死骸が横たわった、死骸からは煙があがる。目の前の死骸が完全に死んでいるのを確認すると防壁を展開していた一人が前に出て水魔法で火を消す。
「おかしいぞ、こんなに弱いはずがない」
「俺らがやったのは天災級じゃないのでは?」
そんな言い合いをしていると水魔法で火を消している魔術師が他の4人を呼ぶ
「おい、妙だぞ、こっちに来てくれ、火は完全に消えたのに煙が出続けてる、何でかわかる奴いるか?」
死骸は水浸しになり、横たわっているのだが、確かに死骸から1時間ほど煙が出続けていた。念の為市民は避難したままに。1時間もあったので、避難は完了していた。街の上空は先ほどまで晴れていたのに、おびただしい量の煙のせいで死骸の近くは陽の光が差し込まず、薄暗くなっていた。
「どうなってんだ?」
「わからない」
ピュロロロロー!
突然空から先ほど聞いた鳴き声が響いた。
「嘘だろ」
上空の煙が一点をめがけて集まり出し、次第に100メートルほどの鳥の形になると、黄色く変色し、気体から個体へと変化した。
「復活しやがった」
「さっきよりでかくないか?」
鳥は翼を大きく広げると鳴き叫ぶ、すると、身体中から炎が噴出し、火をまとった、近くの建物に火が移り、しだいに街は大火事になる。魔術師が強力な水魔法や爆発魔法を打つものの、火が弱まる様子はなかった、それどころか、燃えた建物の煙を取り込み、受けた傷を修復し、次第に大きくなり続ける。気づけば300メートルは超える大きさになっていた。近くに配備されていた特急の魔術師が到着するも、足止めが精一杯、四天王達を待つしかなかった。鳥は魔術師に目もくれず街の西の方へ行くと大きな建物の上に降り立った。
「まずいぞ」
「注意を引け!」
市民が避難するための大きな金属製の建物、その上に鳥は止まっていた。
ピュロロロー!
叫ぶと鳥の体から出ている炎の色が赤から次第に青色へと変色する。住民が避難している建物が次第に溶け出した、とてもじゃないが近づけない。
「やばい、あれじゃあ避難した人が全員が死んじまう」
「大丈夫だ、あの建物は四天王ハデス様の呪術で守られてる、危害が加えられた時に防御する魔法がかかってる」
魔術師の言う通り、巨大な魔法陣が建物を中心に広がる、すると、建物は溶けるのを止めた。
「すごいぜ!あの魔法、さすがハデス様だ」
鳥は以前変わらず体から青い炎を出したまま、不思議そうに魔法陣をくちばしでつつく、しばらくすると、飛び上がり口を開け、青い炎を一直線に吐き出した。
「何をしてるんだ?」
「あれ、まずくないか、魔法は広範囲にすれば威力は落ちるものだ、逆に、同じ魔力量でも一点に集中して放つ魔法は桁違いの威力になる。あの鳥がやっているのはそう言うことなんじゃ?」
特級魔術師の言う通り、魔法陣は次第にひび割れ、ついに、破壊された。
そこからは、ただ、ただ、残酷だった。鳥は施設の上に居座り、炎を吐き続ける、あたりはドロドロに溶けた金属などで出来た赤黒い水たまりが出来始めていた、一瞬だったのかもしれないが中の人々がどれほどの恐怖と苦痛を抱え死んでいったのかは想像を絶した。
地震が起こってここまで1時間半ほど、四天王が到着した地震発生から2時間後には、先程までこの街にいた市民は誰一人姿形さえ残っていなかった
赤い火は不完全燃焼、800度ほど。青い炎は完全燃焼で温度は1500度、鉄が溶けるぐらい。
フェニックスの火はもっと温度が高い設定です。2000度ぐらいかな。
次の話でわかることですが、補足、蘭の家族が住んでいるのはアカーネーション街です。
戦闘の描写って難しい、早く平和なパートに入りたい




