天災の予兆と宝物
1・3000年・天災級モンスター、フェニックス出現。
2・3010年・天災級モンスター、ベルゼブブ出現。楓が女王になる。
3・3011年・闇が生まれる。
4・3012年・蒼が生まれ、蘭が親代わりになる。
5・3016年・蘭が四天王になる。
6・3017年・天災級モンスター、バハムート出現。
7・3019年・闇が四天王になる。蒼が聖女になる。
6番、3017年、バハムートが出現する前です
闇が7歳の誕生日を迎えた少し後に、エトナ火山に異変があった。
エトナ火山とは世界を脅かす厄災級、天災級モンスターが現れる前にその兆候として噴火する火山である。噴火後約一ヶ月以内にモンスターが出現する。モンスターの強さは、下級 中級 上級 厄災 天災 の順に上がっていく、下級、中級、上級はそれぞれの中でさらに、三段階に分かれるので合計11段階である。
今回の噴火は3日に渡り大噴火を起こしていた、これは、闇の生まれる1年前に襲来した天災級モンスター・ベルゼブブ、と同規模の噴火だった。
モンスターはエトナ火山から出現するわけでなく、どこからともなく現れる、空から現れる者や、地面から出てくる者、海から這い出てくる者など今まで様々である。
前回のベルゼブブは空から王都付近に飛来し、多大な犠牲を出した。ベルゼブブが襲来した時は闇の母は妊娠中、また、父は王都から離れた位置にいたため、戦闘に参加することはなかった。
すぐに女王、聖女と四天王による会議、王聖四天王会議が開かれた、特に新しく話し合うことはなく、前回同様、人が住んでいるエリアに魔術師を配置し、発見次第、付近の魔術師が、迎撃、伝達、それに応じて、聖女、四天王が向かうと言うものだった。
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闇の親は王都からヤエザクラ村で待機、何かあれば特級のため、伝達係ではなく迎撃と指示されていた、すでにエトナ火山の噴火から13日が経過
闇は自宅で一人、椅子に座りながら足をプランプランと揺らす。
「暇なの」
13日間、釣りにも、ピクニックにも行けない、モンスター達もエトナ火山の異変に気付き、姿を現さないためモンスター狩りもする必要がない、親も相手にしてくれないため、一人で魔術に関する本を読書していた。魔術の勉強は嫌いじゃない、上手くなれば、お母さんやお父さんに褒めてもらえるから。
生まれて初めての天災級モンスター襲来、闇は天災級モンスターなど見たこともなかったが、親が構ってくれなくなるので、すでに、恨み始めていた。日が落ち始めると、母だけが帰ってくる。
「お母さん、おかえりなの」
「ただいま、闇、お留守番ありがとう」
「お留守番なんて何もすることないの、暇なの、天災級モンスターなんて来ないの」
「そうね、来ないでくれると嬉しいわね、お父さんは明日まで見回り、明日はお父さんが帰ってきてくれるからね」
しばらく話した後、二人きりで食事をとった。寝るまで、母と話をして話し疲れると闇は眠った。
最近はずっとは胸騒ぎがする。もし、天災級が現れても前の時のように馬で3日もかかるほど離れていれば、戦う必要が無いかもしれない、だが、もし近くに現れれば戦わなければならない、前回の天災級ベルゼブブでは女王、四天王が1人命を落としている、もし戦いになれば無事でいられるか、わからなかった。
「おやすみなさい、闇」
しばらく闇の寝顔見つめた後、頰にキスをして母は眠りについた。
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翌朝、その日は随分と平凡で当たり障りない朝だった、朝起きると、いつもの食べなれた母が作る卵焼きとご飯で朝食を済ませた。
「お母さんもう行くの?」
「そうね、闇は良い子にしててね、今日はお父さんが帰ってくるから、お母さんは明日の夜まで見回り」
「私も連れてって欲しいいの、家だと暇なの」
「それはダメ」
そう言って、闇を優しく抱きしめる。
「闇はお母さんとお父さんの一番大切な神様から授かった宝物、お母さん達と違って、才能もあるし頭もいいし、完璧な自慢の子よ、そんな大切な闇にもしものことがあったら、きっと、お母さんとお父さんは生きていけないわ」
「でも、最近ずっと何も来てないの」
「もし、来たら、ってこと、お母さんそろそろ行かなきゃ」
闇から離れ、扉に手をかける。
「大好きよ、闇」
「私もなの、いってらっしゃい、お母さん」
「いってきます、闇」
その後、闇は二度と親の姿を見ることはなかった。
ベルゼブブは、悠、灯、過去編で出てくる天災級なので、今回は名前ぐらいしか出ません。
モンスターは、下級(下位・中位・上位)中級(下位・中位・上位)上級(下位・中位・上位)厄災級、天災級と、左から右に行くにつれて危険度が上がる
エトナ火山、実際に地球にある火山です、古くから神話や伝説に名前が出てきた山です。
エトナ火山が噴火をすると一ヶ月以内に天災級モンスターがくる、エトナ火山が噴火しても、近くに村や町などは一切ないので、被害は出ない。




