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長い昼食前と闇の過去

上空数十メートルの位置をゆっくりと飛びながら家に帰宅する、とても風が気持ちいい、闇と手をつないでいるせいか、元々高所恐怖症でもない凛は下を見てもそんなに怖くなかった。横を飛んでいる小鳥たちを見ると、自分も空を飛んでいるような錯覚を覚えた。

平和な風景とは裏腹に凛は時折地面を見るとちらつく赤い花をみて、オダマキの花を思う。

帰宅途中、闇が


「怖がらないなんて、つまらないですの」


なんて言っていた、悠は空を飛ぶのが苦手なんだとか、話を聞いてると軽い高所恐怖症って感じだ。灯は全然大丈夫らしい。


「闇って妹いたんだね」

「私は一人っ子ですの」


闇の返答に疑問を感じたが、それ以上は聞けない空気を凛は感じた。




来た時と違い、ものの数分で我が家に到着した。まだ、昼食には早い時間だったが、家に戻るなり、悠が玄関で出迎えてくれた。しかし、その表情はどこか不安げに見える。


「おかえり、闇、凛」

「ただいまですの、悠、今日は魚一匹しか取れなかったですの、あと、組み立て式の椅子を一つ私のせいで壊してしまったですの、ごめんなさいですの」

「椅子は大丈夫、今度灯に買い出しに行ってもらう時に買ってきてもらうよう言っとくね」


魚の入ったバケツを玄関に置き、釣竿や椅子を自分の部屋に持っていこうとする闇


「闇、大丈夫?」

「大丈夫ですの、疲れたから、昼食まで一人にさせて欲しいですの」


そう言うと寂しげな背中で二階に上がっていった。


リビングに入ると、灯もすでに帰っていたようで、椅子に座りながら、一枚の紙を見つめていた。紙には


「どうも蘭です、うちの子がアイテム勝手に使って、闇ちゃんにちょっかいかけてもうたかもしれん、家でフォロー頼みます」


と、書かれている。

悠と凛がリビングに入ったのに気づく。


「闇の様子はどうだった、悠」

「今日釣りに行ってたのもあってかな、少し、昔のこと思い出しちゃったみたい、今はそっとしといて欲しいって言ってた」

「そっか、釣竿って親の形見のやつだろ?蒼もタイミングが悪いな、もし、泣いてたりしたら、励ましてやろうって思ったけどよ、そんな必要ねぇかな」

「そうだね」


釣竿が形見?今日それ湖に落としちゃったんだけど!?もしかして、相当やばいことをしてしまったのでは?

凛にはさっぱりわからないが、悠と灯の間では話が進んでいるようだ。聞かない方が良いことなのかな?とも、考えたが、それよりもはるかに知りたい気持ちが勝った。


「悠と蒼ちゃんってなにかあったの?喧嘩したってレベルじゃなさそうだけど」


悠と灯は顔を見合わせ、少し黙り込むと灯が口を開く。


「結構複雑な話なんだよな、本当は本人が話すかどうか決めるんだろうが、凛はもう家族だしな、闇も6日にしては形見の釣竿握らせるぐらいだ、信頼されてんだろ。力が無くたって、今回みたいに凛が闇と一番近い時もあるしな、俺は凛に話しても良いと思う、悠はどう思う?」

「そうだね、これから一緒にいるんだし、話しても良いかな、ご飯食べるまでまだ1時間ぐらいあるし、話そっか」


悠が、飲み物を運んできてくれる。3人が席に着くと悠が話し始めた。

一人いないだけでテーブルが広く見える気がした。


赤いオダマキの花言葉は、心配、素直、など。色で大きく意味が変わる。


悠は空を飛べないわけではない。苦手なだけ



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