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蘭と帰宅準備

「飼い犬の躾がなってないですの、蘭」


蘭と呼ばれる女性を確認すると、闇は腕を軽く振る、シールドが無くなり、ツノや目、腕の色は元に戻った。蒼も腕を振り元の姿に戻る。杖は手元に元の形をして戻った。


「ごめんなぁ、この子勝手にうちの新作の転移魔法アイテム使ってもうてな、すぐに、闇ちゃんのとこ行ったかもしれんと思ったんやけど、闇ちゃんの家行っても誰もおらんし、どうしよー、と思ってたら、えらい魔力が近くに発生したって、うち専用の人工知能、ZIRIが言うたもんやから、飛んできたっちゅーわけや、闇ちゃん見ない間に背が大きなったな」


一通り闇に説明し終わると、凛に目を向ける蘭。左耳についているイヤホンを少し抑え、何かを聞いているようだ。少しすると抑える手を離す。


「あんた、不思議な子やなぁ、ZIRIがあんた自身の魔力の反応が無いって言ってるわ、そんで、2つほど永続条件魔法がかけられとるな、1つはハデスの魔力を感じる、2つ目はなんや?なんかハデスに似たような感じする魔力やってZIRIが言うとるわ、それに、闇ちゃんと一緒におるなんて、何者や、今、シールドで守ってもらっとったな、悠と灯以外尻尾ふらん闇ちゃんに守ってもらうとは、あんたなかなかやるやんけ」


凛を見て笑いかける蘭と対照的に、闇は嫌悪感をあらわにする


「蘭!子供扱いしないでといつも言ってるですの、私をちゃんずけで呼ぶなですの」


笑顔をそのままに視線を闇に戻す。


「そんなプンプン怒らんといてや、うちからしたら闇ちゃんもまだまだ子供やっちゅうことや、うちの子と一歳しか歳変わらんやんか、まあ、それにしては闇ちゃんはしっかりしとるな、しっかりしすぎなぐらいやで、えらい、えらい、さて」


振り返ると、先ほどの位置から動かず、下を向いてる蒼


「こっちおいで蒼」

「お母さん、怒ってる?」


先ほどと違いシュンとした声、まさに親に怒られる子供という感じ。


「お母さんは怒っとるよ、勝手に魔法アイテム使って、闇ちゃんと喧嘩して、魔力ない子まで巻き込んで、何でこんなことしたん?」

「ごめんなさい、お母さんが闇お姉ちゃんに会わせてくれないから、このアイテム使えば会えるかなって思って、三年前から一度も会ってないから、会いたいなって、でも、でも、会っても、闇お姉ちゃんが相手にしてくれなくて、悲しくなって、うっ、うっ、うえーん、ごめんなさい」


その場に座り込み泣き出す蒼、蘭はそばに寄って背中をさする、最初目を覚ました時の自分みたいだなと思う凛、少しこそばゆくなった。三年前と耳にした闇は怒りとも悲しみともとれる表情を浮かべる。


「あのな、勝手に魔法アイテム使って、蒼が怪我したらどうするん?」

「蒼は聖女だから、怪我しても治せるもん」

「お母さんは蒼が怪我したら悲しいで、それに、怪我したら痛いやろ、蒼は痛いの好きか?」

「ううん、痛いの嫌い」

「そやろ、お母さんのためにも自分のためにも、もう、勝手に魔法アイテム使ったらあかんで、それとな、闇ちゃんとはまだ話せへんねや、うーんと、なんて言えばいいんやろ、闇ちゃんには考える時間がいるんや」


涙を止め、蒼が不思議そうな表情を浮かべる


「何を考えなきゃいけないの?」

「うーんとそれはなぁ」


口ごもる蘭、会話を聞いていた闇が口を挟む


「蘭、まだそいつに話していないんですの?」

「ちょっ、闇ちゃん、余計なこと言わんといてえな、うちにはうちの教育方針があるんや」

「蘭の教育方針は興味ないですの、ただ、私に話しかけないように言い聞かせなさいですの」

「闇ちゃんは怖いなぁ、10歳とは思えへんわ、悠さんの教育方針教えてほしいわ、うちは親としてはまだまだやからなぁ」

「悠は関係ないですの、凛、もう、帰りますの」


あいづちを打って鼻を抑えながら立ち上がる凛、ポタポタと血が垂れた。


「鼻血が出てますの、早く帰って悠に見てもらおうですの」

「うん」


荷物を浮遊させ、飛んで帰ろうとする闇と凛の背中を蒼の声が掴む。


「待って、蒼が治す、凛の鼻血」

「いらないですの」


間髪を入れずに闇が言葉を返す。


「待ってえな、うちの子がやったことやし、ここは蒼にやらせたってや、凛もそれでええやろ?」

「はい、私は蒼ちゃんでも大丈夫です」


闇は凛と荷物を地面に下ろす、凛に行ってこい、というような指示をすると闇は蒼達に背を向けた。凛が蒼のそばに行くと、蒼は杖を凛の前に持ってくる。白色の魔法陣が現れ、すぐに血は止まり、痛みはなくなった。垂れていた血や、服についた血も消えていた。


「うわー、すごい、ありがとう蒼ちゃん」

「凛、痛いことして、ごめんなさい」

「いやー、うちからも謝っとくな、悪かったなぁ、凛にも今度うちの店の商品、なんかあげるわ、ちょっとした物なら作ったっても良いわ。それにしても不思議な子やな、凛にかかってる魔法について、ハデスに問い詰めなあかんな、さて、闇ちゃーん!帰るなら挨拶ぐらいしにきーや!」


蘭に言われると、闇が、荷物を浮遊させながら蘭と蒼の前に立つ。


「お前のおかげで、悠の手を煩わせる必要がなくなったですの、それについては礼を言っておくですの、さぁ、帰るんですの、凛」


闇が話しかけたおかげか、笑顔になる蒼


「闇お姉ちゃんが怪我したら、蒼が治してあげるね」


少しほのぼのした空気感になったなと思ったのもつかの間。


「私は死んでもあなたに助けはこいませんですの」


威圧感のある闇の声にまた空気がピリつくと、目を潤ませる蒼。急いで凛と蘭がカバーする


「わ、私が怪我したら、また蒼ちゃんに助けてもらおうかな」

「おお、そやな、お母さんが怪我した時も頼むで蒼、頼りにしてるで」


褒められたおかげか、蒼の視線は凛と蘭をとらえ、目の潤みはおさまった。

挨拶を交わすと、蒼は闇と話せないことに納得してはいないみたいだったが、蘭が蒼を連れて来た時と同じ扉を出すとその中に消えた、闇は凛の手を握ると今度こそ空高くに飛び上がった。


作者は関西弁だが、いざ、関西弁を書くとなると、正しいのかわからなくなる時がある


人工知能ZIRIは蘭が自分で作ったアイテムを使用するときの補佐役、他にも、魔力感知など便利なスキルを活かし蘭をサポートする


蒼は治癒に関しては最強

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