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聖者と天使

ドガーン!


蒼に当たると、赤い球はものすごい音を立てて炸裂した、闇と凛を包むようにいつの間にか出現していた箱状のシールドのおかげで、中にいる凛と闇は鼓膜が破れるなんてこともなく無傷だった。

捲き上る煙の中から、上方向に蒼が吹っ飛んだ、吹っ飛んではいるものの、杖を握り自分を中心に小さな球状のシールドを張っている、しかし、線が入り、ひび割れていた。蒼が地面に落ちると同時に、シールドが割れた、シールドが衝撃を吸収してくれたのか蒼は無事なようで、すぐに起き上がる。それを確認した闇は今度は手のひらを上に向け人差し指を突き立てるとクイッと、上にあげる。


バキバキ


音と共に地面が揺れる。すぐに闇は、先ほどと同じように右手をパーにすると、また赤い球が生まれる。


「もう、闇お姉ちゃんのばか!聖者付与魔法MAJIK・INVALID」


蒼の体が白っぽく発光する。途端に、地面が針状の形に変形し蒼を中心に10メートルほど空に向かって突き出た。


「や、闇、やりすぎだよ」


現実味のない現象の数々に硬直していた凛だが、理由がどうあれ、幼い女の子を闇が殺そうとしていると判断し、闇を止めようとする。しかし、凛の声は届かず、箱状のシールドに穴が空き、闇はその穴から赤い球を打ち出した。


ドガーン!


爆発が起こり、砕けた針状の地面が雨のように降ってきた。捲き上る煙がおさまる、蒼は姿を変え、立っていた、目はベタ目のように白に染まり、闇と違い、腕だけでなく足にも先ほどまでなかった白い鎧のようなものがついている。杖を握っていないのをみると、闇と同じく杖が鎧に変化したのだろう、天使の羽を思わせるような身の丈にあった白い翼が上手く服に二つ穴を開けている、そして、頭の上には黄色の輪が浮いていた。


「こうなったら、蒼に魔法は効かないもん!」


闇は今度は両手を前に出すと青い球が生まれる、シュゥシュゥと音を立てながら数秒で1メートルほどになると、闇と凛を守るシールドに穴を開け打ち出した。


「無駄だよ〜」


蒼は片手で青い球に触れると、パチンとシャボン玉を思わせるような小さい音で青い球は消える。


「チッ」


闇が舌打ちをする。


「ねぇ、闇お姉ちゃん、こんなことじゃなくて、釣りしたりとかして遊ぼ」


蒼が闇たちに近づこうとした時、闇と蒼のちょうど真ん中に、先ほど蒼が出てきた時と同じような高さ2メートルほどの扉がまた現れる。中から赤っぽい髪を首元まで生やした女性が現れた、左耳にはワイヤレスのブルートゥース・イヤホンのようなものが付いている。この人も闇やハデスと似た杖を握っている。


「えらい魔力が二つ発生したと思って来てみれば、やっと見つけたで、蒼、お家帰るで」


そう言いながら、赤髪の女性は闇を見ると、手を合わせる。


「悪いなぁ闇、堪忍かんにんしてな、今度うちの店の商品なにかあげるから」


そう言って、悪びれながら、いたずらっぽく笑った。

作者は戦闘シーンはあまり書きたくない、と思うことが多い


MAJIK・INVALID➡︎魔法無効


シャボン玉が割れる時、パチンなんて音はしない。誰が考えたんだろう、パチンって効果音。

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