最強と最弱
ニュース速報
今日17時ごろ、渋谷の交差点で車が歩道に突っ込みました。その際、轢かれかけた女性をかばい、18歳の女性、凛さん、が引かれ死亡しました、その後すぐ運転手は取り押さえられ、犯行動機などについては・・・・・・
どうやら、先ほど可愛い女の子が車に轢かれそうになっていたのを助けたところ、ポックリいきました、痛みなく死ねたのはラッキーだったかも。
「どこなんだろ、ここ」
何もない空間、真っ白なキャンパスの中に入れられたら、きっとこんな感じだと思う
「ああ、天国って奴だな、いや〜こんなに何もないとことは、ゲームのマンインザクラフトみたいに自分で天国作るのかな?」
何が起こったのかわからず困惑する。
「そんなわけないでしょ、凛」
突然声が鳴り響く、鳴り響くというのはその通りで爆音の声だった、振り返ると、30階の高層ビルぐらいはあるだろうか、羽の生えた巨人があぐらをかき凛のことを上から見下ろしていた。
「うるさっ」
あまりの大きな声にとっさに出た言葉だった、すると巨人は指をパチンと鳴らす、パチンなんて可愛い音量じゃない、耳元で鐘を思いっきり鳴らされてる感覚、キーンという音が耳の中で鳴り響く。
「ギャーー!」
耳を抑えてうずくまる、100%鼓膜が破れた。しばらくそのままうずくまっていると、トントンと肩を叩かれた、顔をあげると身の丈ほどの大きな黒い羽の生えたふんどし一丁で身長170センチほどの悪魔を思わせるような男が私の肩を叩いていた、なにか、口をパクパクさせてる。もしかして喋ってる?だとしたら、やっぱり私の鼓膜破れたのかな?
「あの、すみません、鼓膜が破れたみたいで聞こえないんですけど」
目の前の筋肉質な男は、なるほど、というような身振りをすると、また、指をパチンと鳴らした。あれ?パチン?
「どうかな、凛、声が聞こえるかい?」
さっき聞いた爆音の声と似た声だ、というか、よく見たらさっきの巨人じゃん。筋肉すごっ。
「はい、聞こえるようになりました」
「それは良かった、いやー、さっきから話しかけてるのにずっと無視するから、悲しくなっちゃったよ、さて、本題だ」
筋肉質な男は一呼吸おくと続けた
「最強と最弱、なりたいのはどちらかな?」
30階の高層ビルはおよそ100メートル
マンインザクラフト➡︎何もない世界で天国と地獄を作って遊ぶゲーム
鼓膜が破れる音量は(100dB)凛は痛みを感じていないので、巨人の指パッチンは約100dBから120dB