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なんで、そうなるんだっ!?  作者: 利川沙夜子
3/6

3.どうにか出来んのか?!(父ドレイク視点)

よろしくお願いいたします。


クリスティーナ:お父様…ファイトですわ!

 その後、ウィリアムが帰ってきたため、一旦、場所を食堂へと移した。

 わたしたちは、夕食をとりながら、今後、やるべき事を話し合い、ある程度、見通しがついたところで、それぞれの私室へと解散した。



 翌朝、朝食を食べたあと、クリストファーを見に行った。夜通し看ていた侍女に交代するよう言い付け、わたしはアドルフと共に、転移の札で、学園へ向かった。

 学園の転移の間に着き、講義の準備があるアドルフとは、ここで別れた。


 そして、廊下に出ると待ち構えていたのは、講師の制服を着た青年だった。

 「お待ちしておりました、アボット侯爵様。私は、クリストファー君の担任である、ロブ オレンと申します。」

 「ドレイク アボッドだ。時間が惜しい。謝罪や話は学園長の所へ行ってからで良い。案内を頼む。」

 「わかりました。では、こちらです。」

 そう言って、オレン講師は先導するため、わたしに背を向け、歩きだしたので、わたしは、それに無言でついていった。



 もう何十年も前に学んだ校舎は、あまり変わっておらず、学園長室の場所を思い出した頃、オレン講師は止まった。

 「こちらが、学園長室です。失礼いたします。アボット侯爵様を、お連れいたしました。」

 ドアをノックしたあと、そう言った。

 中から返事が返ってきたので、ドアを開けたあと、入室出来るよう、オレン講師は脇へ退いた。

 わたしが部屋に入ると、ソファーに座っている人物がいた。

 「やぁ、久しぶりだねぇ~?ドレイク!あぁ、わざわざご足労、感謝するよぉ~!うん、オレン講師、お茶をお願いするよぉ~?」

 「おまえは…そのだらしない口調をどうにか出来んのか?!アンドレーク!おまえがそんなだから、今回の事が起きたのではないのか?!」

 入るなり、怒鳴り散らしたわたしを気にもせず、アンドレークはソファーへ座るよう、わたしに促していた。


 こいつは、アンドレーク ミュラー侯爵であり、ここの学園長でもある。

 そして、ブレーセ家、ミュラー家、我がアボット家は、三大侯爵家。必然的にアッサム様の周りに侍ることが多いため、この二人とは常に一緒にいた。 

 アンドレーク ミュラー侯爵は、だらしない口調に惑わされやすいが、その実、とても腹黒で計算高いヤツだ。父親が宰相なので、跡を継ぐと思っていたのに、なぜか、学園長の座に就いた。

 アンドレーク曰く、『こっちの方が、面白そう!!

』と言っているが…。何を考えているか、よくわからん。


 だが、今回のクリストファーの件は、予想範囲外だったのだろうか。

 確かに、ロザリーナ バーモント伯爵令嬢とは、異質な存在だと伺えるが…。


 「まぁまぁ~。落ち着いて?ここへは、事務的な事をしに、来たんでしょ?」

 アンドレークの口調に対して、ため息をつきながら、わたしはソファーに座り、用意されたお茶を飲んでから、促した。

 「アンドレーク…。解っているなら、さっさと、説明をしろ。」

 「わかったけど、説明、長くなるよぉ?とりあえず、アーサー君とエリザベス君に聞いたらねぇ?ロザリーナ君が石に躓いた拍子に、魔法が誤発砲しちゃってぇ、天井にあった仕掛けがに当たって発動~。

 呪いがかからないようアーサー君が防御魔法で防ごうとしたのにぃ、また、ロザリーナ君が石に躓き、頭突きされたクリストファー君が、魔法円の外へ押し出されて、呪いにかかってしまったんだって~。」

 間延びした口調の説明に対して、わたしは頭を抱えてしまっていた。

 緊張感があるはずの説明が台無しなのだ。

 これなら、同席しているオレン講師に話してもらった方がいいのだが、とりあえず、わたしは黙って続きを聞くことにした。

 「それで、呪いにかかり気絶してしまったクリストファー君を、早く連れ帰ろうとしたエリザベス君達は、転移の札を使おうとしたところ、ロザリーナ君が止めたんだって~!

 『それを使ったら、困るわ!私はもう、トラブルを起こさしちゃいけないのに…!留年したら、どうしてくれるの?私の事、どうでもいいって言うの?!とりあえず、クリストファー君だけ、帰せば良いじゃない!私たちは、試験を続けるべきよ!!』

と、ロザリーナ君が言ったらしいよ~?

 ビックリだよねぇ?結局、アーサー君によって、全力の失神魔法をかけられたロザリーナ君を引きずって、4人で帰還したんだよねぇ。」

 声色や口調も真似ているのだろうか…。良い歳したおっさんがやると、気持ちが悪い…。

 いろいろ諦めているわたしに、今度はオレン講師が説明をしだした。

 「帰還してきた4人のうち、意識のある2人から事情を聞き、アーサー君にアドルフ講師を、エリザベス君に校医を呼びに行かせました。

 一緒に待機していた講師には、アボット侯爵家へ連絡をさせました。」

 アンドレークがうんうんと頷いているところ見ると、オレン講師の対応は、的確で迅速な対応をしたんだろうと、思われる。

 「あ、あと、面倒だったから、ロザリーナ君は失神魔法にかかったまま、実家に引き取らせたよ~。んで、退学にしちゃった!

 今まで、魔法の誤発砲したり、トラブルがあっても、人に影響はなかったんだけど、今回は人に危害を加えたからね~。

 しかも、相手は国王執務官長の息子で、第二王子殿下の側近だしねぇ?

 それに、アーサー王子殿下とアーレン王太子殿下の婚約者エリザベス嬢を危険に晒したのだから、それ相応の対処だよ。」

読んでいただけて、ありがとうございました。


次で、お父様を終わりにしたい…

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